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自衛隊に作られた「サイバー防衛隊」の戦闘力

5/25(木) 12:20配信

ニュースイッチ

多勢に無勢で海外に太刀打ちできず

 政府は発電所などの重要インフラへのサイバー攻撃に対して、サイバー手法で反撃できるように法整備の検討に入った。サイバ―対策は国家安全保障上の喫緊の課題であり、法整備とともにセキュリティー人材の育成・強化を急ぐべきだ。

 身代金要求型のマルウエア(悪意あるプログラム)「ランサムウエア」は、大規模なサイバー攻撃の脅威を世界中に知らしめた。その手口は徐々に明らかになっているが、ばらまき型のマルウエアゆえに攻撃者の特定は難しい。

 特定の組織を狙った標的型サイバー攻撃なども同様だ。それでも攻撃元をたどっていくと、インターネット上で暗躍する犯罪集団や、国同士の軋轢(あつれき)が浮かび上がってくる。

 重要インフラなどを狙った大規模なサイバー攻撃は「攻撃元を特定して反撃しないと、攻撃は止まらない」(セキュリティーの有識者)のが現実だ。

 ここでいう反撃とはサイバー手法でやり返すこと。法整備では、攻撃元が他国である時に、これをどう位置づけるかが焦点となっている。

 サイバー攻撃の脅威はウイルス感染に止まらない。中東では敵軍の通信システムをサイバー攻撃で不能にした上で、戦闘機がレーダー網をすり抜けて爆撃した例もあるという。

 こうした中、米国はいち早くサイバー空間を、陸・海・空・宇宙と並ぶ「第5の作戦空間」と位置づけた。中国も2000年初頭に情報戦民兵組織を創設し、すでに「1万人以上の専門集団がいる」(同)という。

 これに対し、日本は14年に自衛隊内に「サイバー防衛隊」を創設した。ただ、100―110人程度といわれ「多勢に無勢では太刀打ちできない」とIT企業の幹部は指摘する。

 急ぐべきはセキュリティーの専門人材の育成・強化だ。政府は4月に「情報処理安全確保支援士」制度を創設した。5月には産業インフラ向け人材を育成する「産業サイバーセキュリティセンター」も発足した。法整備とともにこの流れを加速させることが必要だ。

最終更新:5/25(木) 12:20
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