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意外に根強い国内パソコン需要、法人向け堅調で今年度も1000万台超え

5/25(木) 17:05配信

ニュースイッチ

政府の教育市場導入と働き方改革が後押し

 MM総研(東京都港区、中島洋所長)によると、2016年度の国内パソコン出荷台数が前年度比2・1%増の1011万2000台だった。13年度にあったウィンドウズXP搭載機の更新需要に伴う反動減の影響がおさまり、法人向け出荷が回復した。

 流通ルート別では、個人向けルートが同7・9%減の396万8000台、法人向けルートが同9・8%増の614万4000台。減少が続く個人需要を法人需要が支える格好となった。

 メーカー別シェアの首位はNECレノボで同1・5ポイント減の25・6%。2位の富士通は同0・9ポイント増の18・1%、3位の日本HPは同1・6ポイント増の13・0%だった。出荷金額は同0・4%減の8704億円。出荷平均単価は同2000円安い8万6000円だった。

 MM総研は17年度の出荷台数を同4・5%増の1057万台と、引き続き回復局面に向かうと予想した。個人市場は1.8%増と6年度ぶりのプラスを見込む。2018年~19年度にかけて、法人市場を中心に2013年のウィンドウズXPサポート終了により導入したウィンドウズ7搭載パソコンの入れ替え需要が徐々に発生し、日本のパソコン市場全体もプラス成長が続くと予想される。

 特に注目すべき2つのポイントは、(1)教育市場におけるパソコン、タブレットの活用推進が政府計画通りに進むのか(2)官民を挙げての取り組みとなりつつある働き方改革が、市場押し上げ効果にどの程度つながるか。

 モバイルなどを活用したリモートワークや在宅勤務など多様な働き方を支える端末としての役割がパソコンに期待されている。大企業中心に働き方改革への取り組みは盛り上がっているが、パソコンにとっても、日本経済にとっても重要な、中堅・中小企業へこれらの取り組みが波及すれば、通期の予測を上回る実績が出る可能性もある。

<パソコン各社、頑丈・軽量・安全を訴求>

 それを受けパソコン各社は「働き方改革」を支援する提案を積極化している。オフィスの外で働くことを想定してセキュリティーや軽量性を高めた製品や、会議を効率化する機能などを付加した製品を相次ぎ投入している。

 富士通クライアントコンピューティング(川崎市中原区)の齋藤邦彰社長は、2017年の新製品群について「いつでもどこでも安心して使えることを意識した」と話す。13・3インチ型ノートパソコン「ライフブックU937/P」は800グラムを切る軽量さと、約200キログラムの圧力に耐えられる頑丈さを両立。手のひら静脈認証や、紛失時に遠隔操作でデータを消去する機能などを組み合わせて提供する。

 また手のひらサイズのタブレット端末「アローズタブV567/P」には、パソコンと同じ基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」のフルバージョンを搭載した。顧客の業務システムなどを容易に導入することが可能だ。齋藤社長は「総力を挙げて開発した」と自信を語り、市場の伸びを上回る拡大を目指す。

 レノボ・ジャパン(東京都千代田区)は、主力のノートパソコン「シンクパッド」シリーズを働き方改革のツールとして提案する。旗艦モデル「シンクパッドX1カーボン」は、14インチ画面ながら額縁をより狭くし、13インチ型パソコンと同等の大きさに収めた。炭素繊維を使い、耐久性を維持しながら小型化した。「持ち運びやすいだけでなく、見やすさも犠牲にしていない」(広報担当者)。

 一方、軽量化については競争が激化している。個人向け13・3型ノートパソコンで富士通が777グラムのモデルを投入したのに対し、レノボ傘下のNECパーソナルコンピュータ(東京都千代田区)が769グラムのモデルを発売し世界最軽量を争う。またパナソニックはキーボードを着脱できる「レッツノートXZ」で、1019グラムを達成した。

 およそ3年前、OS入れ替えに伴い特需が発生したが、その後は需要が低迷していた。ただ一部の関係者の間では、買い替え需要が近づき、17年度の法人市場は平時の600万―700万台に回復するとの見方もある。

 日本HP(東京都江東区)の岡隆史社長も需要の回復を期待する。「働き方改革で、パソコン業界にチャンスが来る」(岡社長)と分析しており、オフィスの外で働くための安全設計に加えて、ボタンを押すだけでテレビ会議に参加できるコラボレーション機能が付いた製品も用意した。

 また、HPは頑丈さが特徴だったが、この10年間で64%薄く、39%軽くなり、スマートなデザインを追求するようになった。見た目の良さを求める声が強まっているためだ。「ヒットの予想は難しい。だからこそ、いろいろな面白いものを出す」(岡社長)という。

 働き方改革を契機に新たな需要が生まれつつあり、市場の深耕に向けて各社の知恵と工夫が試される。

最終更新:5/25(木) 17:05
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