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賃貸管理のプロに聞く[2] 一人暮らしの女性必見!「のぞき・ストーカー・痴漢被害」を防ぐ方法とは

5/25(木) 7:06配信

SUUMOジャーナル

気に入ったお部屋を見つけてお引越しも完了。ワクワクの新生活ですが、特に一人暮らしの女性には気をつけてほしいことがたくさんあります。過去に賃貸住宅で実際に起こった「ストーカー・痴漢被害」を参考にしながら、女性がどうやって身を守っていったら良いのかを賃貸管理のプロと一緒に考えてみましょう。

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賃貸仲介・管理の現場に20年以上携わっているプロが、賃貸物件に住む人から相談の多い事例と解決方法をご紹介する連載です

■気が付かないうちに被害に。「のぞき魔」の手口とは……

身体に危害が加わらなくても、魔の手があなたに迫っているかも知れないのが「のぞき魔」被害。まずは私が実際に過去に見聞きしてきた被害の事例をいくつかお話ししたいと思います。

一つ目は、隣室に住んでいる男性がバルコニー越しに女性の部屋をのぞいていた事例。その男性は共用部で会った彼女が隣室に住んでいると知り、好みのタイプだったのか、悪い事とは知りながらつい出来心で、バルコニーから彼女の部屋をのぞくという行為を繰り返していました。なぜ発覚したかというと、建物の前のコンビニに来たお客さんがたまたま上を見上げた際に、バルコニーから身を乗り出して隣室をのぞいている男性の姿を発見し、警察に通報したのです。彼女の部屋は結構な高層階で、目の前も大きな道路があり眺望も開けていたため、まさか外からのぞかれるとは思わず、カーテンを開けっ放しにしていることが多かったのだそうです。

二つ目は、1階のお部屋での事例です。ワンルームに住む女性が夜、部屋でくつろいでいるとき、バルコニーから物音がするので不審に思ってカーテンを開けると……サッシのすぐ向こう側にうずくまり、カーテンの隙間から彼女の部屋をのぞいていた男と目が合ってしまいました。彼女が悲鳴を上げると男は逃走! 残念ながら捕まることはありませんでした。この建物はバルコニーの柵が格子状になっておらず、中に入ると外からは見えないつくりになっていたために、男がこっそり潜むことができてしまったのが災いしました。

室内をのぞかれないためには窓やバルコニー、サッシに気を付ければ良いと思いがちですが、三つ目はそれだけではダメだという事例をお話します。若い女性の住む部屋で、玄関ドアのスコープが外側から外されて、その穴から室内をのぞかれるという被害が発生したことがあります。私も実際にその穴から室内をのぞいてみましたが、ワンルームなので遮るドアも無く、室内が丸見えなので驚きました。狭いワンルームだと玄関近くに浴室のドアがある場合も多いので、知らずにのぞかれていたとしたらゾッとしますね。これまたのぞいているのを外部の人が発見して発覚しましたが、玄関の位置が死角になっているお部屋だったら、発覚はもっと遅くなったと思います。

のぞき魔の被害に遭わないための一番簡単な対策は、物理的に外から見えないようにすることです。カーテンは厚めのものを購入し、しっかりと閉めましょう。ドアスコープには「ドアスコープカバー」を取り付けてください。通販でも手に入りますし、もともとカバーの付いているタイプのドアも増えてきています。

のぞき魔の被害に遭っても直接身体的な被害はありませんが、のぞきから事件に発展しないとも限りませんので、心もカーテンも隙がないようにしていきたいですね。

■届くはずの郵便物が届かない? 案外多い「郵便物の盗難」

管理物件の入居者から寄せられるご相談で案外多いのが、「郵便物の盗難」です。届くはずのクレジットカードや携帯電話の明細などが届かないので、もしかしたら郵便物が盗まれているかもしれない……というご連絡を頂くことがあるのです。

賃貸物件によくあるのはダイヤル式の集合ポストですが、毎回開けるのが面倒なためかダイヤルを合わせたまま開けっ放しにしている人が結構いらっしゃいます。普段そうしていると最後の一桁の番号が分かってしまうので、もし悪い目的の人に狙われていたら、途中から閉めるようにしたところで暗証番号の解読が容易になってしまいます。まずは面倒でも毎回きちんとダイヤル番号を違うものに合わせてから閉めてほしいと思います。

郵便物を盗まれているかも知れないと感じ始めた方はダイヤルをしっかり見るようになるので、「自分が合わせておいたダイヤル番号と変わっているので誰かが触っているようだ」というご相談も頂きます。その場合はダイヤル部分だけを交換して違う番号に変更して様子を見ることもあります。しかしながらダイヤル式の暗証番号は、私たち管理のプロだと現地で5分もあれば暗証番号を解読できてしまうくらい単純なつくりになっているものも多いので、過剰な期待はできないものだと思ってください。

また、どんなに鍵がしっかりしていても、投函口からトングなどを用いて郵便物を引き抜かれたら元も子もありません。クレジットカードや携帯電話の明細などweb明細に変更できるものは手続きを行い、郵便物として届かないようにするのも有効です。

最近の新築物件では、投函口から郵便物が引き抜けないように投函口に蛇腹の部品が付いていたり、深型で郵便物が下に落ちるようなものも増えてきましたので、気になる方は次のお引越しのときにポストの種類もチェックしていただきたいと思います。

■留守中に室内を物色されていた!鍵の盲点とは

一人暮らしの女性が留守の間に、何者かに室内に侵入されてしまうという事件も時々あります。

私が見てきた事例のなかでは、別れ話に納得できない元交際相手がこっそり鍵の複製をつくっているパターンが多い気がしますが、職場のロッカーなど部屋の鍵を入れている鞄に誰でも簡単に触れる環境がある場合、鍵を持ち出して合鍵屋さんに持ち込み複製をつくることは、鍵の種類によっては数時間で簡単にできてしまいます。
また、わざわざ合鍵屋さんに行かなくても、鍵のメーカーと鍵番号が分かればインターネット経由で鍵の複製をつくれてしまう場合も。この手口で女性宅に不法侵入した男性が逮捕された事件がありましたが、これは誰にでも起こり得ることです。ご自分の鍵の管理はしっかり行い、むやみに人に見せたり、見えるところに放置しないように気を付けてください。

最近では、鍵の一つ一つにセキュリティカードが付いていて、管理会社や大家さんが保管しているセキュリティカード情報がないと複製できないものや、カードキー、電子錠など簡単に複製しにくいタイプの鍵がたくさん出ています。鍵はその部屋のドアや錠本体の取り付け部分の形に合わせて戸別にセキュリティの強いものに交換も可能ですので、心配な方は管理会社や大家さんに相談してみてください。

■絶体絶命! 待ち伏せして部屋に押し入られることも

部屋をのぞかれたり、郵便を盗まれたり、室内に侵入されたりするのも恐ろしいことですが、一番恐いのは実際に相手に襲われることです。私が見てきた事例では最終的な被害まではなかったものの、あわやと驚くことがたくさんありました。

外階段の踊り場に潜んでいた男性が、帰宅してきた女性が部屋のドアを開けた途端に背後から押し入ろうとしたときは、たまたまその後すぐに交際相手が来たので助かりました。

別のケースでは、コンビニで一緒になった女性の後を付けて来た男性が同じマンションの入居者のふりをしてオートロックのエントランスを一緒に通り、エレベーターに乗り込んで来て彼女に迫ったのですが、たまたま男性よりも年上の気丈な女性だったため、厳しく説教をかまされた男性が尻尾を巻いて逃げるという、ある意味痛快な事件もありました。

この二つの事例で共通することは、女性は全く相手に心当たりがなかったということです。2人とも見知らぬ男性だったと口をそろえておっしゃっていました。外で会って一方的に相手に気に入られ、自宅まで突き止められてしまったのです。帰宅途中には常に周辺に気を配り、不審な人が一緒に入ってこないように気を付けましょう。

【画像1】イラスト/藤井昌子

これらの事例から、一人暮らしの女性が気を付けたほうが良い点を考えてみましょう。

基本中の基本は、その部屋に女性が1人で住んでいるとなるべく分からないようにすることだと思います。若い女性が住んでいると分かるような洗濯物の干し方には、十分に注意してください。初めての一人暮らしが増える春先は、今までご実家でお母さんが洗ってくれていた洗濯物を初めて自分で洗う若い女性が増えるためか、1階にお住まいなのに下着までバルコニーで干してしまう方を時々見かけます。管理会社勤務の私から見ると、とんでもないことです!

また、建物のエントランスで見知らぬ男性と一緒になった場合は、ポストに用事があるふりをしたり、電話をかけるふりをするなどして、なるべく一緒にオートロックを入ったり、エレベーターに乗らないようにしてください。万が一、一緒になってしまったとしても、違う階のボタンを押して一旦降りるなど、住んでいる階が分からないようにするなどの対策が必要だと思います。善良な男性の方には申し訳ありませんが、用心するのに越したことはありません。

いつも思いますが、オートロックのあるマンションだからと過信している方が多いと思います。やり方はお教えしませんが、例えば私は5分あれば鍵がなくてもオートロック扉の内側に入り込む自信があります。宅配便やほかの入居者がオートロックのエントランスを通るタイミングを待ち伏せすることだってやろうと思えば簡単です。建物の中に入ったからといって完全に安心ではありません。部屋のドアに入って鍵をかけるまでは緊張を解いてはいけないのです。

ここまで読まれた方は、そんな大げさな……と思われるかもしれませんが、一度被害に遭ってしまったら心の傷が一生残ってしまうかもしれません。実際にこういう事例を見聞きしてきた私は、万一のことを考えるとどれほど用心してもしすぎることはないと心から思っています。

自分の身を守るのは警察でも管理会社でもなく、まずは自分自身だということをしっかり肝に銘じて、危険な目に遭わないように気を付けて毎日を過ごしてくださいね。

谷 尚子 賃貸住宅での暮らし応援団
独立系の賃貸管理会社ハウスメイトパートナーズに勤務。仲介・管理の現場で働くこと20年超のキャリアで、賃貸住宅に住まう皆さんのお悩みを解決し、快適な暮らしをお手伝い。金融機関・業界団体・大家さんの会等での講演多数。大家さん・入居者さん・不動産会社の3方良しを目指して今日も現場で働いています。

谷尚子(ハウスメイトパートナーズ)

最終更新:5/25(木) 7:06
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