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量より質を観光政策に 北陸新幹線、金沢市の検証会議が初会合

5/25(木) 1:52配信

北國新聞社

 金沢市の「北陸新幹線開業による影響検証会議」の初会合は24日、市役所で開かれ、有識者で構成する委員8人が開業によるプラスとマイナスの効果を洗い出す議論を始めた。座長に就いた水野一郎金沢工大教授は会合後、「量から質への転換を図るような観光政策を考える」と述べ、観光客数の抑制を含め、広く市民に受け入れられる方策を検討する意向を示した。

 冒頭、山野之義市長が「プラスを広め、マイナスがこれ以上大きくならないよう、今の段階で考えたい」とあいさつした。続いて、事務局が開業前後の企業動向や、観光客の宿泊状況、歩行者通行量の変化などを説明した。

 意見交換では、浜崎英明委員(金沢経済同友会代表幹事)が、駐車場などが増えて街並みが壊れる恐れがあると懸念した。浜崎氏は「同じ金沢駅構内の店舗でも菓子店は好調だが、工芸店は不調だ」とも述べ、業種によって開業の恩恵に隔たりがあるとした。

 佐無田光委員(金大教授)は「観光客の増加が県民所得の押し上げに結び付いているのか」と語り、詳細な分析が必要と訴えた。

 席上、市内の企業や市民団体などの関係者30人に行われたヒアリング調査の結果も示された。「売り上げが伸びた」「客が増え、従業員の意識が高まった」「観光客につられ、市民も街を歩くようになった」といった肯定的な意見がある一方、「地元客が飲食店を予約できない」「宿泊料金が高騰し、都市の印象が悪くなった」などの意見も目立った。

 「外国人観光客が門を開けて家をのぞいた」「ぽい捨てが増えた」など、長町武家屋敷やひがし茶屋街周辺の住民の声も紹介され、委員からは「観光客が特定の場所に集中している」(庄田正一金沢ホテル懇話会長)、「観光客が増えすぎ、街の魅力が損なわれれば本末転倒だ」(佐無田氏)などの意見が上がった。

 水野座長は「金沢の観光資源のほとんどが、生活空間の中にある。対策を講じる必要がある」と指摘した。一方、水野座長は「金沢から東京までの時間距離が短くなった。これで市民の行動がどう変わったのかを調べるのも面白い」とも話した。

 検証会議は今後、2、3回の会合を開き、年度内に報告書をまとめ、山野市長に提出する。

北國新聞社

最終更新:5/25(木) 1:52
北國新聞社