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エクイティ部長は元GSクオンツの39歳、SMBC日興を変革中

5/25(木) 0:00配信

Bloomberg

「失敗してもいいから挑戦してほしい。リスクを取ってほしい」-。SMBC日興証券で株式トレーディング業務を担う山田誠エクイティ部長(39)の口癖だ。約2年前に米系のゴールドマン・サックス証券から移籍。約50人の部下へのメッセージは変化を恐れずに挑戦を続ける自身の姿とも重なる。

山田氏は2015年7月にSMBC日興へ移り、昨年3月にエクイティ部長に起用された。14年間在籍してマネージング・ディレクターまで務めたゴールドマンからの転職は、「外資系証券の日本でのビジネスが縮小傾向にある中、日本で存在感を上げていくのは魅力的だと思った」からだ。海外ヘッジファンドからの誘いもあったが、「大きな新しいチャレンジをしたい」と決断した。

SMBC日興の17年3月期決算で、株式などのトレーディング損益は前の期に比べ65%増の170億円。5年前の55倍に拡大した。先行するみずほ証券(343億円)や大和証券(217億円)などとの差は着実に縮まっている。野村ホールディングスは株式のみの損益を開示しておらず、債券・為替なども含めて4756億円。

山田氏の現在の目標は、SMBC日興の株式トレーディングの収益性を日本市場で最も高くすることだ。「他社に追いつこう、追い抜こうと思えば、プロジェクトをしないといけない。来期、3年後に向けて多くのプロジェクトを行い、種をまいている」と言う。一方で、「システムを作るスピードも、タイムリーにハンドリングしていくための基盤も強化しなくてはならない」と課題も認める。

山田氏は山口県宇部市出身。ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長と同じ宇部高校を卒業後、米カルフォルニア大学バークレー校でコンピューターサイエンスを学んだ。ITバブル期の就職活動では名立たる米大手ソフトウエア企業からも内定を得た中で、高度な数学的手法を駆使するクオンツとしてゴールドマンに入社した。

同社ではオプションや高頻度取引(HFT)のシステム開発などに携わったが、それを活用するトレーダーが常にそばにいたことで次第にトレーディングに興味を抱く。入社5年後にオプションやデリバティブ、先物などの自己勘定取引を行うプロップトレーダーとなり、その後日本の指数デリバティブの責任者を務めた。「トレーダーは顧客のためにチームで一緒にビジネスを作っていく、そのプロセスが楽しい」と転身の理由を説明する。

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最終更新:5/25(木) 12:36
Bloomberg