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米金融当局の「混乱の種」-低失業率と低インフレの共存

5/25(木) 13:32配信

Bloomberg

米国の労働市場は活況を呈している。だが、物価動向は勢いを欠く。

経済のスラック(たるみ)が少なくなっているのに物価上昇にはつながっていないのはなぜかと、困惑している金融当局者にとって、この点がジレンマだ。

24日に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、当局者が今月2、3両日の会合で6月の利上げに傾いていたことが示された。しかし、次の一手をどのようにするかはますます悩ましい課題となりそうだ。

4月の米失業率は4.4%と、2007年以来の低水準に改善し、労働資源が最大限に活用されていると当局者が見なす水準を割り込んだ。その一方で同月の消費者物価は、変動の大きい食料品とエネルギーを除くコア指数の上昇率が前年同月比1.9%に鈍化。1月は2.3%の上昇だった。

5月のFOMC議事録によれば、追加利上げが「近く適切になる」と大部分の金融当局者が判断していたとされる。当局のシグナルがこれほど鮮明になるのはまれだ。

それでも、当局者による最近の発言や議事録の内容からは、緩やかな利上げを進めるとの当局者の見通しに対し、実際のインフレ動向が何を物語っているかについて、FOMC内で意見が分かれつつある様子がうかがわれる。

ステンディッシュ・メロン・アセット・マネジメント(ボストン)のチーフエコノミスト、ビンセント・ラインハート氏は「当然の混乱の種がある」と指摘。「当局者はインフレ率の変化と失業率との間につながりがあるとの理論を前提とする経済モデルを採用しているが、統計ではそれほどはっきりとしていない」と語った。

TDセキュリティーズUSAの米国担当チーフマクロストラテジスト、マイケル・ハンソン氏は「当局者がどのようなペースで利上げするか検討する上で、インフレ率が年後半に重要な鍵を握るのは明らかだ」とした上で、多少のインフレ加速が見られなければ、「利上げのハードルは高くなる」との見方を示した。原題:Fed’s Hot-Or-Not Confusion on Economy to Shape Rate-Hike Debate(抜粋)

Craig Torres, Christopher Condon

最終更新:5/25(木) 13:32
Bloomberg