ここから本文です

「ファイトー、イッパーツ」 リポDのCM、絶叫から爽やかに 「汗と筋肉は時代に合わない」

5/28(日) 7:05配信

withnews

 汗をしたたらせて断崖絶壁を登る屈強な男性2人。しかし、1人が落ちそうに。なんとか引き上げようと最後の一踏ん張りで、「ファイトー!イッパーツ!」とおたけびをあげる―。そう、誰もが目にしたことのあるリポビタンDのCMです。この「危機一髪」シリーズ、実は昨年9月に幕を閉じ、現在のCMはユーチューバーなどが登場する爽やか路線となっています。その背景を探ると、「汗と筋肉は時代に合わない」と新たな客層の開拓が急務な事情が見えてきました。(朝日新聞経済部・森田岳穂記者)

【写真特集】「世界の王」からケイン・コスギさんまで リポDの歴代CM出演者

あのフレーズ、1977年から

 リポビタンDは1962年に発売された大正製薬の看板商品で、広告の歴史も長いです。発売翌年の63年には王貞治氏を広告に起用。しかし、キャッチフレーズは「ファイトで行こう!リポビタンD」でした。その後も「ヨッ!お疲れ!」「やるじゃない!」などのキャッチフレーズが続きます。

 おなじみのフレーズがついに登場するのが77年の「ダブルタレントシリーズ」。2人の男性が危機的状況を乗り切るおなじみの形になっていきます。同社のホームページには77年以降のCMが掲載。「肉体派を代表する勝野洋氏と渡辺裕之氏が南海の孤島でファイト! 恐怖を乗り越える凄まじいシーンの連続でした」「海外ロケが中心となりました。さらに迫力のあるシーンが増え強烈なインパクトをもたらしました」などと紹介されています。最近では「エネルギッシュな肉体派」(同社)のケイン・コスギ氏が登場するCMが印象に残ります。

エナジードリンクに押され売り上げ減

 これまでに約387億本を売り上げたリポビタンDですが、市場環境は厳しさを増しています。「レッドブル」や「モンスター」などのエナジードリンクが人気となり、ライバルの栄養ドリンクの種類も増えています。

 コンビニなどのドリンク売り場でいい位置と面積を確保することが売り上げに大きく影響しますが、厳しい状況が続いています。売り上げは2000年度の797億円をピークに、3~4%のペース年々減少。16年度は372億円(前年度比3.5%減)で、ピーク時の半分以下です。

 リポビタンDの不振などもあり、大正製薬HDの17年3月期の売上高は前年比3.6%減の2797億円にとどまりました。同社も「ライジン」などエナジードリンクを発売し、力を入れていますが、リポビタンDはなんといっても同社の顔。ブランドイメージの再定義が必要だと、16年9月に新CMを流し始めました。

1/2ページ

最終更新:5/28(日) 7:05
withnews