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あなたの会社は若者から魅力的に見えていますか?

5/26(金) 7:10配信

ITmedia ビジネスオンライン

 「数ある企業の中から、今いる会社を選んだ理由は何ですか?」

 学生にこう聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか? 思わず「ここしか受からなかったんだ」「人材紹介会社に紹介された中では、ここが一番給料良かった」なんて本音を言いたくなってしまうだろうが、ピュアな視線で聞かれたらそうも言えないだろう。

【社員の意識の高い発言に、失笑してまう人もいることだろう】

 2018年度の新卒採用が既に盛り上がりを見せている。日本経済団体連合会(経団連)の「採用選考に関する指針」では大学3年生の3月に採用広報活動スタート、大学4年生の6月に選考スタートということになっているが、実際はこのルールよりも早く選考が始まる

 実際、リクルートキャリアの『「2017年5月1日時点内定状況」 就職プロセス調査(2018年卒)』の速報版によると、5月1日時点での大学生の就職内定率(速報値)は34.8%だった。前年同月の25.0%と比べて9.8ポイント高い。16年よりもフライングが加速していると言える。ただ、指針を守る企業は6月1日以降に内定を出すので、内定をキープしつつも、本命企業の選考待ちという状況の学生も多いかもしれない。

 「新卒の採用なんて関係ねえよ」というサラリーマン諸君も多いことだろう。しかし、サラリーマンとしての保身のためにも、少なくとも自社の採用については関心を持つべきだ。

 自社の採用サイトを見てみると、自社の方向性、求める人物像などが分かり、興味深い。今後、注力する事業なども明らかになる。「そうか、やっぱりAI、ビッグデータか」「グローバル展開か」「営業職よりもエンジニア重視の会社になるんだな」などの発見があることだろう。

●スマホで採用サイトを見ながら酒を飲もう

 もっとも、自社の採用サイトを読んで失笑する人もいるだろう。というのも、自分の嫌いな経営陣たちや、管理職、若手社員などが「モデルか?」とバカにしたくなるようなカッコいいポーズをしていて、意識の高い発言をしているからだ。

 「イノベーションこそが私の使命」「世界中の若者にクールだと言われるような、アプリを開発したい」――こんなことを言っちゃうわけだ。普段、若手の芽をつみまくっている奴がである。いつも新橋で会社の愚痴を言いカラオケで90年代のJPOPを歌うような輩がカッコつけている様子は実に香ばしい。

 経営者の話にしても「グローバル展開を加速する」など、10年前から何度も言っているセリフが連呼されたりする。苦戦し続けているのにもかかわらずだ。本当にやる気あるのか、あんた無能かと言いたくなる。

 この時期、会社の仲間と愚痴を言い合うのにオススメなのは、スマホで採用サイトを見ながら飲むことだ。ご飯三杯はいける。

 いや、ネガティブなことを書いてしまったが、人事も採用に躍起になっているのだ。17年も売り手市場であるだけでなく、中長期でも若者が減っていくからだ。だから、ついつい会社のことを盛ってでも美化して見せたくなるのだろう。

 採用のキャッチコピーも滑稽だ。約7年前に、企業が学生に送るDMを集めてキャッチコピーをまとめたことがある。紹介しよう(企業名は伏せる)。

・「1日で選考:ワンデー選考会!」→(楽かもだけど、これだけでジャッジされるのもどうだろう)

 

・「地図に残る仕事をしてみませんか」→(なるほど、ちょっとグッとくるかも) 

 

・「広告会社で働きたい一橋大学の皆様へ。月給28万円・勤務地:渋谷区広尾」→(ストレートすぎる!)

 

・「少数精鋭? いいえ、全員精鋭です!会社説明会でその雰囲気を感じてください!!」(→全員精鋭かぁ……。みんなの査定をみてみたい)

 

・「事業説明一切なし!新感覚セミナー開催」→(事業説明聞けないのかよ。社長や社員と直接話せる系かな?)

 

・流した汗はウソをつかない→(汗かかなきゃいけないのね)

(※入稿時、常見氏から70以上のキャッチコピーを送っていただきましたが、編集部側で厳選しました)

●自社は若者にとって魅力的に見えているのか

 さて、サラリーマンの保身話に戻ろう。会社員として「ウチの会社、大丈夫かな?」と思うことがあるだろう。参考にしたいのは「で、ウチの会社は、人を採れているのか?」ということだ。

 若者もバカではない。人事がいかに企業のことを盛って伝えようとも、学生はだませない。ブラック企業が社会問題化したこともあり、大学でもこれらの企業を見分け、避けるような指導が行われている。そういう学生たちが新卒市場に現れているのだ。

 いや、もっと簡単に言うと、こういうことだ。アナタの会社は、若者にとって魅力的なのだろうか。「採れない」ということは、魅力がないということだ。そして、若者から選ばれない企業は徐々に活力が落ちていく。

 なぜ、採れないのか? 自分事として考えてみよう。会社から逃げるタイミングを考える材料にもなるぞ。


(常見陽平)