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迅速救助と安全運航を両立 県消防防災航空隊 マニュアル改定

5/26(金) 7:50配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 長野県の消防防災ヘリコプター墜落事故を受け、静岡県消防防災航空隊が救助マニュアルや訓練などの見直しを進めている。運航を開始した1997年から、同隊では人身事故は発生していない。救助活動の現場は常に危険と隣り合わせだが、迅速かつ確実な救助と運航の安全確保の両立に全力で取り組む。

 マニュアルの改定では、指さし確認の強化や、救助器具の着脱の確認作業を必ず2人以上で行うようにするなど作業内容が見直された。訓練内容も、救助器具の取り扱いなど基礎訓練を強化した。隊員らが救助の際に行うホイスト(つり上げ装置)操作やヘリの後方確認、地上への降下などの活動については、各隊員が継続的に一つの活動に特化して取り組み専門性を高める方針に変更した。

 墜落したヘリに乗っていた長野の隊員らとは交流があり、事故は同隊に大きな衝撃を与えたという。詳しい事故原因はいまだに解明されていないが、操縦士や整備士とともに安全対策の再点検に取り組むことを決めた。現在は出動が増える夏季に備え、3月に加入した隊員2人を中心として訓練に励んでいる。

 2016年の緊急運航は計62件(前年比6件減)で、救助は38件だった。そのうち最も多いのは水難事故の21件で、山岳事故が13件と続く。佐藤義之隊長は「県民の命綱であるという意識を持ち、事故を起こさない安全最優先の活動を行いたい」と強調する。

 さらなる安全対策の向上に向けて、3月には県消防保安課と航空隊、運航を委託する業者の三者でつくる「県消防防災航空隊安全推進連絡会」が発足した。月に1回会合を開いて情報交換を行い、隊員が活動時に装着するヘルメットカメラの映像を検証するなど、救助活動について話し合う。

 航空隊でも2月、水難救助中に作業用部品が落下する事故があった。細沢光晴消防保安課長は、同隊の活動について三者が意見交換する場を増やしたいとし、「重大事故が起きてからでは遅い。考え得る限りの対策を講じていく」と話した。

静岡新聞社