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ANA、新訓練方式の副操縦士 777で乗務開始

5/26(金) 21:57配信

Aviation Wire

 全日本空輸(ANA/NH)は5月26日、訓練効率を向上させ、訓練期間を短縮した新方式「MPL(マルチクルー・パイロット・ライセンス)」で合格した副操縦士の乗務を本格的に開始した。

【ブリーフィング中の副操縦士】

◆ANA初のMPL副操縦士

 MPLは、訓練の初期段階から機長と副操縦士の2人乗務(マルチクルー)を前提に訓練することで、航空会社のパイロット養成に適したもの。従来よりも訓練期間が約半年短縮されるほか、2人のパイロットがチームで運航する能力を、訓練の初期段階から身につけられる。

 乗務を開始したのは、中川雄介(なかがわ・ゆうすけ)副操縦士(28)。26日は羽田発福岡行きNH257便(ボーイング777-200型機、登録番号JA705A)に乗務した。同便は羽田第2ターミナル59番スポットを定刻より1分遅れの午後2時11分に出発し、乗客296人(ほか幼児6人)が利用した。中川副操縦士は、小島敏裕(こじま・としひろ)機長と乗務し、客室乗務員9人と運航した。

 中川副操縦士は、2012年4月に入社。貨物事業室での地上配属を経て、同年9月からMPL訓練を開始した。2017年5月20日、777の副操縦士発令を受け、22日の那覇発羽田行きNH996便に、スタンバイ(待機)の副操縦士として初めて乗務した。

◆ANAのMPL基礎訓練、ルフトハンザグループに委託

 MPL訓練は、基礎訓練と実用機訓練に分別される。ANAは基礎訓練をルフトハンザグループの独ルフトハンザ・アビエーション・トレーニングに委託。ブレーメンでの座学後は米フェニックスに渡り、1段階目が単発機とシミュレーターを使用した「コア・フェーズ」、2段階目はブレーメンに戻り、シミュレーターと小型ジェットを使用した「ベーシック・フェーズ」を進める。

 2段階終了後、MPLの学科試験を受験。3段階目からは国内に戻り、シミュレーターを使用した「インターメディエート・フェーズ」、4段階目は、シミュレーターと実機を使用した「アドバンスト・フェーズ」を進め、MPLを取得する。

 中川副操縦士と同期のMPL1期生は8人。現在、9つのコースが進行中で、56人が受講している。

 MPLは2006年にICAO(国際民間航空機関)で規定され、日本でも2012年に法制化された制度で、海外では複数の航空会社で導入され、すでにMPLを取得した副操縦士が運航に従事している。ANAは2014年9月から導入。これまでは約36カ月かかっていた養成期間を、約27カ月から30カ月に短縮できるようになった。

 MPL訓練は、日本の航空会社では日本航空(JAL/JL、9201)が初めて導入。ことし2月からは合格した副操縦士が乗務を開始している。

Yusuke KOHASE

最終更新:5/26(金) 21:57
Aviation Wire