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【Japan IT Week 春 2017レポート】ビジネスチャンスはどこだ?ITビジネスのいま(前編)

5/26(金) 16:03配信

BCN

【Japan IT Week 春 2017レポート】ビジネスチャンスはどこだ?ITビジネスのいま(前編)

ClearDeckの概要

 リード エグジビション ジャパン(石積忠夫社長)は2017年5月10日から12日までの3日間、IT総合展示会「Japan IT Week 春 2017」を昨年同様、東京ビッグサイトで開催した。約1300社の出展企業を13にゾーニングし、8万8725人が来場した。流れが激しいIT業界のビジネスチャンスはいったいどこにあるのか。各社のブースから見え隠れする変化をレポートする。(藤代格)

●ITに不可欠なセキュリティ。何をどこまで守るか、どう見せていくかが焦点に

 ITを扱う上で必要不可欠なセキュリティ。今回の情報セキュリティEXPOには多くの来場者が訪れており、時間帯によっては移動が困難になるほどの盛り上がりとなった。

●セキュリティの担保はあたりまえ。働き方改革の実現を目指す

 情報セキュリティEXPOに出展し、働き方改革をテーマとした新製品を展開していたのはソリトンシステムズ(ソリトン)だ。5月10日に販売を始めた働き方改革を支援する新製品「ClearDeck」は、Office 365など外部のクラウドサービス機能を利用し、統合、連携するマルチOS対応のワークスペースプラットフォーム。メールをはじめとした個人のさまざまなタスク管理を、デバイスを問わず共通のインターフェースから行うことができる。コンテナ技術を採用することで高いセキュリティを確保するクラウドサービスとして提供する。10ユーザーの場合で月額1ユーザーあたり1000円、1000ユーザーの場合では月額1ユーザー650円。いずれも1ユーザーにつき5デバイスまで利用できる。

 ソリトンのITセキュリティ事業本部の広瀬丈芳マネージャは、「ワールドワイドで広がるGTD(Getting Things Done)という考え方がある。やるべき仕事をどこでも、いつでも、なんでも、優先順位をつけてやれるようにするために、ITを活用することが本来の働き方改革なのではないか。セキュリティとプロダクティビティを兼ね備えたClearDeckというプラットフォームでGTDを実現し、働き方改革の支援をしていく」と製品の意図を説明。「日本では、あまり浸透もしていない考え方をソリューションとして仕上げた製品で、ワールドワイドでも、こういった製品はない。世界同時発売と銘打ってもよかった」と、製品に対する大きな自信をうかがわせた。

●オールインワンか取捨選択か。ユーザーが導入しやすいセキュリティとは

 同様にセキュリティEXPOに出展し、働き方改革に大きくフォーカスしたのはドコモグループでグループ内システムを手掛けているドコモ・システムズだ。Japan IT Weekには今回が初出展。メール、スケジューラ、社員録などの基本的なツールに加え、社内外でのWeb会議機能や勤怠、経費の申請・承認など、多くの機能をドコモならではのモバイル機能で提供するクラウド型企業情報システム「dDREAMS」をはじめ、クラウド型Web会議サービス「sMeeting」、運行管理業務を総合的に支援する法人向けクラウドサービス「docoですcar」を展示した。

 dDREAMSは、ドコモグループ5万人の業務を10年以上支え続けている社内システムを、高セキュリティ環境とともにアプリケーション、運用までを含めたトータルなサービスだ。14年から外販を開始し、現在はNTTグループなど約16万人が利用しているという。クラウド事業部の南出和秀営業推進担当は、「システムとしては魅力的ながら閉域網版はないのか、すべての機能でなく単機能版はないのかなど、いろいろな要望がある。sMeetingはそうした声を受け、dDREAMSからWEB会議機能のみを切り出しブラッシュアップしたサービスとなる。皆様の要望に応えて、民間企業にも提案していきたい」と、今後の方向性を語った。

 フィルタリングソフトベンダーとして名高いアルプスシステムインテグレーション(ALSI)は、セキュリティ関連の商材として2シリーズをラインアップ。「情報漏洩対策シリーズ」として展開するソフトウェアスイート「InterSafe ILP」は、ファイルの自動暗号化「InterSafe IRM」、デバイスの制御「InterSafe DeviceControl」、持ち出しの申請や承認を行う「InterSafe WorkFlow」、セキュリティUSBメモリを作成する「InterSafe SecureDevice」の4つの機能すべてを一つの画面から管理することが特徴となっている。それぞれの機能だけを導入することも可能で、特に日本年金機構の事件以降、ファイル自動暗号化のInterSafe IRMが注目を浴びているという。セキュリティ営業部セキュリティ営業1課の?田龍哉グループリーダーは、「InterSafe IRMは保存するだけですべて自動で暗号化され、完全自動でヒューマンエラーがない点に特徴がある。いくら対策をとっても車の事故は必ず起こるように、昨今のセキュリティ脅威は、どれだけ防御しても抜け穴ができてしまうことがあり得る。被害を受けないという防御だけではなく、盗まれてしまうことを前提とし、漏れても読まれない、盗まれても大丈夫という考え方が、これまでとは大きく違う」と強調。セキュリティに対する考え方にも変化が現れてきたと分析する。

 また、並行してインターネット系のセキュリティ商材を展開する「アクセスマネージメントシリーズ」からは、WEBフィルタリングソフト「InterSafe WebFilter」、スマートデバイス向けとしてSafariからWEBフィルタリングが可能な「InterSafe MobileSecurity」、マルチデバイス対応のWEBフィルタリングをクラウドで提供する「InterSafe CATS」と、クラウドのサービスとして提供する「InterSafe GatewayConnection」を中心に紹介。なかでも昨年末にリリースしたInterSafe GatewayConnectionは、「社内向けに展開していたWEBフィルタリングをクラウドサービス化した。今までのALSIは、ソフトウェアを購入しサーバーを運用していただく必要があるスタイルだったが、すべてをクラウドに投げてもらうことが可能になる新しいサービス」(?田グループリーダー)だと強調した。

 今回、ALSIのブースで目についたのは、来場者が自社に適した商材とは何かが、手軽に理解できるように展開していた点だ。テーマごとにブースを装飾するだけでなく、「セキュリティ早わかりガイド」を作成して、会場限定版として配布。日々進化するセキュリティ対策に向けて、自社にあった商材を見つけだしやすくしていた。

●注目を集める「IoT」をカバーする商材を参考出展

 ALSIはセキュリティ商材をブースで展示する一方で、IoTの実証実験を素早く簡単に始めることができる期間レンタル型ソリューション「IoT Fast Kit」を参考出展した。傾きや動き、温度、気圧、湿度などをセンサひとつで取ることができ、そのデータを蓄積し、ユーザーが気づきやすい形のレシピとして提供、確認できるようにした。また、ALSIが今まで展開してきたファームウェアソリューションの強みを生かし、センサからデータを送るだけでなく、WEBからセンサのコントロールを可能とした。

 今回の参考出展は、IoTという新たなビジネス領域に向け、16年4月からアルプス電気と共同で進めているプロジェクトの一環で、現在はテストマーケティングという位置づけだ。IoT推進プロジェクト久保田和也氏は、「アルプス電気が展開しているほかのセンサの適応など、要望に合わせて機能を強化していく。お客様と話し合いながら進めていきたい」と、アルプス電気グループ全体として、IoT分野に注力していく意向だ。手軽にすぐに実施でき、ユーザーが気づきやすい仕組みを目指して展開するIoT Fast Kitのリリースは夏を予定している。(続く)

最終更新:5/26(金) 16:03
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