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【フィリピン】戒厳令による経済成長への影響なし、財務省

5/26(金) 11:30配信

NNA

 フィリピンの財務省は25日、23日深夜にミンダナオ全域に出された60日間の戒厳令が経済成長に与える影響はないとの声明を発表した。治安に問題があるのは同島の経済的中心地から離れた地域に限られる上、同島の経済活動を支える主要インフラなどを政府が完全に掌握しているためだ。
 ドミンゲス財務相は声明で、「早急に過激派組織による無法な暴力を終わらせて治安を回復するため、できる限りのことを実施する準備がある」と表明した大統領の言葉を引用。期限付きの戒厳令により、商取引の流れや地域住民を保護し、イスラム国(IS)につながる組織などテロリストが将来的に地域に及ぼす脅威を取り除くと説明した。
 財務省によると、IS系のイスラム過激派組織マウテやアブサヤフと治安当局が交戦する南ラナオ州マラウイ市を含むミンダナオ・イスラム教徒自治区(ARMM)は、フィリピン国内で最も貧しい地域。2016年の国内総生産(GDP)に占める割合は0.6%で、国内の全17地域で最低となっている。ドゥテルテ政権は、包摂的な成長に向け、成長が遅れた同地域の発展を進めるため、戒厳令を敷いて治安回復を図る。
 ■議会や司法は停止せず
 国防省は24日、警察や国軍など治安当局に対し、ミンダナオ島の戒厳令に関するガイドライン(指針)を発令した。地元紙インクワイラーが入手した国防省の回状によると、戒厳令が布告された地域で憲法を停止することはなく、司法や立法の機能は維持するという。
 回状は、「戒厳令は、民事裁判所の管轄権を軍隊や軍事裁判所に移管することはなく、自動的に令状なしで身柄を拘束できる訳でもない」と明記。戒厳令が敷かれた地域での逮捕、捜索、押収の執行は、裁判所の規定や法律を順守すべきで、法律と人権が優先されなければならないと強調した。
 ■市街戦に戦車やヘリ投入
 地元各紙によると、国軍は25日、マラウイ市内での過激派との交戦で、戦車やヘリコプターによる攻撃を開始した。政府は、アブサヤフ幹部でISの東南アジア支部の指導者とみられるイスニロン・ハピロン容疑者が市内に潜伏しているとみている。23日には同容疑者のアジトを急襲したが、取り逃がしていた。
 同容疑者は、2001年に発生した米国人3人を含む20人の誘拐事件などに関与し、米司法省がテロリストとして指名手配している。今年1月には、国軍が同州で行った空爆により負傷したとみられている。
 交戦が激しくなる中、約20万人の市民のうち半数以上が、既に近隣のイリガン市などへ脱出したもよう。
 国軍によると、イスラム過激派との交戦では、25日までに35人が死亡。過激派が26人、政府側が7人、一般人が2人という。また、同日にスルー州パティクルで、軍の部隊がアブサヤフの待ち伏せ攻撃を受け、1人が死亡したと明らかにした。
 ■ミンダナオ便、無料で払い戻し
 フィリピン航空(PAL)と格安航空会社(LCC)のセブ・パシフィック航空は24日、ミンダナオ行航空券の購入者に、払い戻しを実施すると発表した。
 PALは、ブトゥアン、カガヤンデオロ、コタバト、ダバオ、ディポログ、ジェネラルサントス、オサミス、スリガオ、サンボアンガ行の今月24日~7月30日発の航空券保有者に対し、出発日から90日間はキャンセル料なしで再予約や行き先変更、払い戻しに応じる。セブ航空は、今月25~31日の出発便について、出発日から30日以内はキャンセル料なしで払い戻しを実施する。

最終更新:5/26(金) 11:30
NNA