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武部力也の週間為替相場見通し~メルケル独首相の本音がドル円を揺さぶる展開

5/26(金) 18:20配信

ZUU online

■ドル円予想レンジ 110.20-113.10

「Der Euro ist zu schwach(ユーロは弱過ぎる)」-。これは5/22にメ ルケル独首相が述べたユーロ見解である。弱すぎる理由として欧州 中央銀行(ECB)の政策を挙げ、ユーロ安と原油安が、独貿易収支 を黒字にしていると指摘している。

邪推するなら2016年の独貿易黒 字2530億ユーロ、経常収支黒字2,660億ユーロとした過去最高額に 対し他国からの批判、特にトランプ政権が米貿易赤字や国際収支 の不均衡を問題視するなかで、その責任をECBに押し付けて批判を 躱した格好にも映る。3月にはショイブレ独財務相が、ユーロ相場は ECBの管轄だと米国からの批判を突っぱねたことも記憶に新しい。

■ユーロがドル円を牽引するか

では、独政府首脳陣の真意は政治的牽制だけなのか。筆者は 6/8の欧州中銀ECB理事会に向けてユーロへの思惑がドル円を左 右しかねないとして刮目している。それは5/24にドラギ総裁が基調 インフレ圧力は依然として抑制されているとの見解を示した一方、 下振れリスクは一段と後退したとの認識も表明しているからだ。下振れリスクの後退は、 3月以降のユーロ圏全般の経済指標が持続 的に回復力の強さを増していることに裏付けられている。

ドラギ総裁は、インフレ圧力が抑制されていることで緩和政策継 続の正当性を主張しているが、実体との整合性が問われ始める筈 であり、なかでもドイツのインフレ圧力の程度が注視されるのでは ないか。4月の独消費者物価指数CPIが昨年4月の0%近傍と比べ 2%上昇していることから、5月CPI(5/30発表)の伸び率も警戒され るはずだ。結果次第では6/8のECBに向けてドイツから早期出口戦 略の主張や緩和政策の是正を迫る声が強まるだろう。ユーロ高円 安が促されれば、ドル円を牽引する可能性も否めないのだ。(ユー ロ円とドル円の200日終値比(5/25時点)の相関係数0.908)

■5/29週見通し

5/29週ドル円は従前通り、米債金利動向を睨みで日足一目均衡 表雲帯(109.878- 111.82)を意識した展開を推考。下値焦点は200日 線推移の111.226圏、5/23安値110.85、5/18安値110.23。4/24-25 安値圏109.60-65、月足一目均衡表雲上限109.50が最終橋頭堡。 上値焦点は5/24高値112.13、5/17欧米時間下落前の戻り高値圏 112.50-55、5/17高値113.12。

武部力也
岡三オンライン証券 投資情報部長兼シニアストラテジスト

最終更新:5/26(金) 18:20
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