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【二宮寿朗の週刊文蹴】作戦に基づき「デュエル」で選考

5/26(金) 12:02配信

スポーツ報知

 ハリルホジッチ監督は随分と思い切った決断を下したものだ。シリア戦、イラク戦のメンバー発表。西川周作、森重真人、清武弘嗣とレギュラー格3人の名前が漏れたことには驚いた。Jリーグでのパフォーマンスを考慮した上で判断したとのこと。しかし指揮官にしてみれば別に「思い切った」わけではないことが会見のコメントからは読み取れる。「完璧に外したということではない。より良い選手を選んだにすぎない」

 日本代表には大枠のリストがあり、60人近い名前が挙がっている。メンバーに選ぶ23、24人の「分子」を代表と捉えるのが一般的だが、ハリルホジッチ監督はどちらかというと「分母」に代表の認識を置く考え方に近い気がする。

 イラク戦の開催地は中立地のイラン。会場となるスタジアムは一昨年のイラン遠征の際に練習で使用している。「ここはグラウンドの状態が悪い。空中戦、ロングボールが多くなると予想している。空中戦に勝つ、セカンドボールを奪うという想定だ」

 環境面やフィジカルに強い相手を考え、中盤には山口蛍、今野泰幸のみならず、デュエルに強いタイプばかりを招集した。ブルガリアでプレーする初招集の加藤恒平についてはボール奪取能力が高いと聞く。センターバックには空中戦に強い三浦弦太を呼んだ。

 試合ごとに作戦を鮮明化し、沿う選手を分母からピックアップするという選考方法。コンディションが第一の選考基準であるなら、けがで試合から遠ざかっている今野の選出はナンセンスになる。コンディションは2番手であり、あくまで「作戦第一」の選考だと感じた。

 ここまで明快にメンバーをいじってきたのは今回が初めて。作戦に応じて、下り調子の常連より上り調子の新顔を躊躇(ちゅうちょ)なく選んでいくという指揮官の意思表示だと受け取った。(スポーツライター)

最終更新:5/26(金) 12:02
スポーツ報知