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近畿の高校野球で奮闘目立つ公立勢 夏に旋風は吹き荒れるか

5/26(金) 14:00配信

デイリースポーツ

 近畿の2府4県で、高校野球春季大会が終了した。今春の近畿各地区の戦いを振り返ると、公立校の奮闘が目立った。

 大阪大会以外の5地区で、4強以上に公立校が進出。滋賀大会は彦根東が10年ぶりに優勝を果たした。兵庫大会の社、京都大会の綾部、滋賀大会の草津東、和歌山の和歌山商の4校が準優勝。春季大会は甲子園に直結しないため、夏へ向けた戦力を試す高校があるとはいえ、各地区の公立校は堂々とした戦いぶりを見せた。

 綾部は春季京都大会で1954年以来63年ぶりに決勝進出。優勝すれば春夏秋を通じて同校初優勝だった。決勝は龍谷大平安に0-2で惜敗したが、夏も期待できる成長途上のチームだ。

 今大会は正捕手だった梅原が、負傷の影響で遊撃手として起用され、代役の捕手だった曽根が成長した。快進撃を支えた背番号1・四方裕は、新チーム発足後にエース・湯浅の故障で中学以来の投手に転向。今春で経験を積み、夏はさらなる飛躍が期待できる投手だ。夏へ向けて上積みできる要素は多い。

 準優勝にも浮かれる様子はない。蒲田監督は「いいように背伸びさせてもらっているけど、選手には『全然強くないよ』と言っている。全力疾走とかしっかりやることをやろうと言っている」。京都では2000年以降、公立校で甲子園に出場したのは鳥羽だけ。京都府北部に位置する綾部は、“雑草魂”を胸に甲子園出場を目指す。

 力がある公立校が多い兵庫では、社が準優勝した。2004年センバツで4強に進出した実績を持つ実力校だが、他校にない特徴的な取り組みがある。

 山本監督の方針で野球にありがちな「さあ、いこう」のような意味のない声を撤廃。部員は社会人野球の練習に参加して高いレベルの体験しており、試合中も場面ごとに選手同士で具体的な指示を送り合う。

 普段から会話を重視しており、“指示待ち人間”ではなく、主体的に動ける選手が多い。今夏はエース・佐名川を中心に、同校初の夏の甲子園出場を目指す。

 また、兵庫大会で注目を集めたのが、県内有数の進学校である市西宮だった。1963年以来54年ぶりの8強に進出し、準々決勝でもセンバツ4強・報徳学園に六回までリードしたが1-2で惜敗した。

 同校は平日の練習が他の部活とグラウンドを共用。内野とレフトの70メートルまでしか使えない。進学校であるため月、火、木が7時間授業。練習開始は16時半からの2時間で、19時に完全下校となる。

 限られた練習環境の中でノックでは待ち時間をなくして、常に全員が動くようにするなど、無駄を排除してレベルアップを遂げてきた。1番・斎藤、4番・禿は偏差値70前後のグローバルサイエンス科に在籍しており、文武両道の部員も多い。最速145キロのエース・山本が中心に夏も快進撃を狙う。

 滋賀大会優勝の彦根東は左腕・増居が大黒柱。決勝・草津東戦では13三振を奪って4安打完封しており、夏も打倒・滋賀学園、近江を目指す。

 和歌山大会では4強・紀北工が、1回戦で近大新宮に奇跡的な大逆転劇を見せた。4-13で迎えた九回裏に、10点を取ってサヨナラ勝ち。勢いに乗って準決勝まで勝ち進んだ。

 奈良大会では今春センバツに出場した高田商が4強に進出。準決勝では智弁学園と接戦を演じて2-3で敗れたが、エース・古川を温存しており、夏は巻き返しを狙う。

 近畿の高校野球は、レベルも注目度も高い。公立校がさらなる成長を遂げて、熱い夏になることを期待したい。(デイリースポーツ・西岡誠)

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