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政府・日銀の「異次元」金融緩和、成果はわずかでリスクは膨張?

5/26(金) 21:40配信

投信1

4月28日付けブルームバーグによれば、自民党行革本部長の河野太郎氏が、日銀の金融政策について「出口戦略を議論することは時期尚早の意見もあるが、少なくとも事前にリスク等を分析し、市場と対話を図ることは必要」という提言を首相官邸に提出しました。

その後、5月10日に日銀の黒田総裁は、衆院財務金融委員会で金融緩和の出口戦略について「現時点で具体的なイメージを持って話すのは難しい」と述べました。金利上昇時の日銀保有国債への影響については、「利回り曲線が全体的に1%上昇すると、評価損は23兆円程度出る」とも述べました。

日銀の評価損23兆円とは何を意味するのか、金融緩和はいつまで続けられるのか、出口戦略はあるのか等々、心配の声があがる一方、日銀は政府の子会社なので連結ベースで考えれば問題ないといった意見もあります。

今の事態をどう理解すれば良いのでしょうか。本稿では、改めてアベノミクスなる経済政策の3本の矢の1つ、大胆な金融政策について、その成果とリスクを再考したいと思います。

大胆な金融政策でやってきたこと

ご存知の通り、アベノミクスの第1の矢である大胆な金融政策では、まず、2013年4月4日に日銀による「量的・質的金融緩和」の導入がありました。

それ以降、2%の「物価安定の目標」を2年程度で実現することを目標とし、マネタリーベースが年間約60兆~70兆円増加するように金融市場調節を行い、長期国債やETF・J-REITなどの買入れを拡大しました。

次は「量的・質的金融緩和」の拡大(2014年10月31日)です。マネタリーベースが年間約80兆円増加するようにペースを上げ、長期国債を年間約80兆円(30兆円追加)、ETFを年間約3兆円(3倍増)、J-REITを年間約900億円(3倍増)増加するように買入れを増やしました。

さらに、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入(2016年1月29日)です。金融機関が保有する日本銀行当座預金の一部に▲0.1%の(マイナス)金利を適用しました。2016年9月21日には「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」が導入され、現在に至っています。

理論的根拠は、リフレ派として有名な岩田日銀副総裁が説明する「インフレ目標を伴う金融政策によって予想インフレ率を上昇させ、デフレギャップを縮小し、デフレから脱却する」というものです。

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最終更新:5/26(金) 21:40
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