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東芝4K液晶テレビに“重低音バズーカ”復活!その名に恥じない音・2

5/26(金) 12:30配信

Stereo Sound ONLINE

 今回のステレオサウンドオンライン新製品レビューは、東芝の4K液晶テレビREGZA 55BZ710Xを紹介する。この製品は昨年から追加されたZ700Xシリーズの後継機として位置づけられていて、レグザシリーズ唯一のIPSパネルが採用されたモデルだ。東芝ユーザーであれば“バズーカ(BAZOOKA)”スピーカーの復活もちょっとした話題であろう。Z700Xからの進化とバズーカシステムの音質を探ってみたい。その2では視聴編をお届けする。

※編集部注:今回試聴に使ったのは55V型の「55BZ710X」(オープン価格、想定市場価格30万円前後)。ラインナップに49V型「49BZ710X」オープン価格、想定市場価格25万円前後)もある


■いよいよ視聴スタート! まずは設定をチェック


 筆者の部屋に55V型の「55BZ710X」を持ち込み、視聴を行なった。4K映像の実力を確認するため、パナソニックのDMP-UB900を用意。UHD BDソフトには「インディペンデンス・デイ・リサージェンス」を使った。ネット動画は Netflix で配信されているアニメ作品「シドニアの騎士」(HD HDR)を視聴。地デジビューティーPROの画質を確認するのに、各局をザッピングしながら視聴した。画質モードは映画作品では『映画プロ』。アニメや地デジ番組では『標準』を選択。画質設定は『デフォルト』のままとし、「明るさ検出」と「フレーム補完」のみを『オフ』にしている。

 音質設定は各設定で聴き比べて決めた。その結果、音質モードに当たる「音声メニュー」は『映画』と『標準』を使い分け、「重低音」は低域が素直に感じられる初期設定の『中』を選択している。なお本機の素の音を確認する為、サラウンド効果はオフとした。


■4K画質、HD画質とも暗部までしっかり再現


 55BZ710Xの映像はレグザらしいキレのある映像はそのままに、光の再現力の良さが印象的だった。筆者は以前この連載で55V型の55Z700Xを取材しているけど、明るさの面でかなりの違いが感じられたのをお伝えしたい。

 「インディペンデンス・デイ・リサージェンス」の4K映像はノイズ感の少なく、暗部の再現力もなかなか。指令室内での会話シーンでも、暗がりで俳優の表情がわかりにくい、といったことも見受けられなかった。これはエリア制御の高精度化による恩恵だろう。

 「シドニアの騎士」はHD作品であるが、HDR化によって色の発色や透明感が魅力的に仕上がっている。宇宙空間を疾走する主人公機である継衛(ツグモリ)のヘイグス機関(いわゆるジェットエンジンのような推進機関)から出力される蒼い光は、思わず目を細める程の眩しさだ。かといって背景とのコントラストはしっかりと保たれている。先程のエリア制御に加え、新開発のLED直下型バックライトが功を奏しているのが良く分かる映像だ。

 地上デジタル放送は白ピークのキレの良さと、地上波で起こりがちな肌の色飛びが少ないのが好印象だ。字幕やテロップも比較的カチっとしていて読みやすい。ただし、ロケ番組やバラエティ、ニュースの現地インタビュー等でブロックノイズが目立った。これは撮影環境によるものだろうが、放送の画質クォリティによっては効果が限定的だった点はお伝えしておきたい。


■豊富な低域が音の実在感を生み出す


 55BZ710Xのもう一つの特徴でもある音質はどうだったか。筆者の素直な意見を一言で述べると、艶のある音で実在感のあるサウンドだと感じた。60mm重低音用円筒状ウーファーによって音の重心がグッと下がり、一般的なテレビよりセリフが聞き取りやすい。“バズーカ(BAZOOKA)”のネーミングからして重低音を誇張するイメージが感じられるが、決してそうではなかったと聴いて思った次第。それでいながら、ここぞと言う時には押しの強い爆発音も感じさせてくれる。必要にして十分と言えるだろう。

 もちろん重低音をいっそう楽しみたければ効果を大にするのもいい。中低域に若干のピークを感じたが、テレビの内蔵スピーカーとしてはこれが限界なのだろう。そして何より、ボリュウム設定に慣れないうちは、突然の爆音で近所迷惑になりかねないので注意して頂きたい。

 55BZ710Xの音質についてもうひとつ紹介させて頂きたい。それは、音の定位の良さだ。テレビのスピーカーにしては奥行の感じられる明瞭なサウンドには関心させられた。画面の中央に座れば、楽器や効果音の位置関係が分かりやすい上、ステレオイメージも感じられる。筆者が思うテレビのサウンドクォリティに新たな経験を与えてくれた。

 純粋に音質を試したくなり、DMP-UB900にソフィー・ミルマンのCD『Sophie Milman』をセットし「AGUA DE BEBER」聴いてみた(音質設定は標準、重低音は中を選択)。そのクォリティは予想通りなかなかのものだった。質感のあるベースやキレの良いヴォーカルは、ちょっとしたBluetoothスピーカー顔負けなサウンド。これならリビングで心地よく音楽を聴くには申し分ない。もし本機にBluetooth接続やAir Play機能があって、スピーカーのみ作動するモードがあったらもっと使い方が拡がったように思う。

 東芝レグザ55BZ710Xはオーディオビジュアル製品として、バランスの良い仕上がりを感じさせてくれた。映像面では前モデルを基準に新たなデバイスを投入した結果、コントラストが良くなってHDRの再現性が進化した。また最近のテレビのサウンドを一蹴するかのような“バズーカ(BAZOOKA)”のコンセプトも面白い。ただ音質重視の本体デザインは設置環境を選ぶと容易に想像がつく。今回は、音もサウンドも楽しめる、オーディオビジュアル製品の魅力を存分に味わえた取材であった。


取材・文:木村雅人

【TOSHIBA 55BZ710X】
オープン価格(想定市場価格30万円前後)
●液晶パネル:IPS方式
●バックライト:直下型LED
●解像度:水平3,840×垂直2,160画素
●チューナー:地デジ/BS/110度CSデジタル×3
●接続端子:HDMI入力端子4系統、AV入力端子1系統、デジタル音声出力端子(光)1系統、ヘッドホン出力端子(3.5mmステレオミニ)1系統、USBタイプA端子2系統、LAN端子ほか
●寸法/質量:W1240×H748×D189mm/19kg(スタンド含む)

Stereo Sound ONLINE / 木村雅人

最終更新:5/26(金) 12:30
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