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「17歳の三冠女王」平野美宇、世界卓球復活までの道のり

5/26(金) 16:00配信

テレビ東京スポーツ

 2016年2月の「世界卓球2016マレーシア」(世界選手権クアラルンプール大会)に平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園)の姿はなかった。日本代表に選ばれたのは福原愛(ANA)、石川佳純(全農)、伊藤美誠(スターツSC)、若宮三紗子(日本生命)、浜本由惟(当時JOCエリートアカデミー/大原学園、現・日本生命)。団体戦が行われたこの年、5人のメンバーたちは日本に銀メダルをもたらした。

平野美宇インタビュー「東京五輪金メダルのために世界卓球では必ずメダルを獲る」

 本来であれば平野は仲間の活躍を日本で知るはずだったが、皮肉なことに世界王者中国との決勝戦を会場で見届けることとなった。決勝前に組まれたエキシビジョンマッチで両腕のない卓球選手のイブラヒム・ハマト(エジプト)と地元の子どもたちと交流試合をするため、前日に現地入りしていたのだ。

 リザーブとして帯同したリオ五輪で福原、石川、伊藤の銅メダル獲得を複雑な思いで見ていたことはよく知られているが、五輪と並ぶビッグイベントの世界卓球でも平野はスタンドの傍観者となって悔しい思いを味わっていたのだ。

五輪と世界卓球で代表落ち

「世界卓球2016マレーシア」(世界選手権クアラルンプール大会)が開かれた2016年2月といえば、半年後にリオ五輪を控え卓球界は五輪ムード一色だった。チームジャパンは2012年ロンドン大会に次ぐメダル獲得に燃えていた。

 平野もかろうじてリザーブに選ばれたものの、同い年の伊藤との代表争いに敗れた痛手はそう簡単に消えない。さいわい同年1月の全日本選手権準決勝で伊藤に圧勝し、史上最年少のファイナリストとして初の決勝進出。大会2連覇中の石川に敗れはしたが準優勝を果たしたことが救いとなった。だが、そこに至るまでは迷いと葛藤、苦悩の日々。なぜなら、2015年9月のリオ五輪代表内定者発表で自身の代表落ちが決まり、10月から満を持して取り組んだプレースタイルの変更が思うようにいかなかったからだ。

 特に12月の世界卓球代表選考会初戦で惨敗したことは平野を奈落の底へ突き落とした。もとの安定したラリーも攻撃型なプレーもどっちつかずのまま、五輪だけでなく世界卓球の出場までも逃してしまったのだ。平野本人の言葉を借りれば、この頃は「どん底」。先の見えない不安と戦った暗黒の時期といえる。

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