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自動運転の日独戦、『ハノーバー宣言』で地図データの覇権争いに終止符か

5/26(金) 16:57配信

オートックワン

ハノーバー宣言の衝撃

2017年3月、日本の自動運転開発者の間で衝撃的な出来事が起こった。

舞台となったのは、ドイツ北部の街、ハノーバー。世界最大級の通信と情報に関する見本市であるCeBIT(セビット)で行われた、メルケル首相と安倍首相との独日首脳会談の後の共同声明でのことだ。

自動運転に必要な地図データ世界基準の覇権争い

ここで、ドイツと日本が、IoT(モノのインターネット化)及び、第四次産業革命とも称されるインダストリー4.0を両国が協調して推進していくことを示した。これを、『ハノーバー宣言』と呼ぶ。

ハノーバー宣言の具体的な項目としては、サイバーセキュリティ、国際標準化、規制緩和、中小企業支援、研究開発、プラットフォーム、デジタル人材育成、情報通信分野の協力、そして自動車産業という9つを挙げた。

そのなかで、自動車産業では、『電動モビリティ・自動運転・コネクテッドカー等に関する覚書』としており、協力分野として、充電インフラや燃料電池などと並んで、自動運転における、ダイナミックマップ(3Dマップ)の技術が明記された。

キーファクターは、このダイナミックマップ(3Dマップ)だ。自動運転における地図を、ドイツと日本が協調することは、日本で自動運転技術を開発する自動車メーカー、自動車部品メーカー、そして地図メーカーにとって極めて大きなハードルなのである。

自動運転の地図は、単なるカーナビではない

ダイナミックマップの説明をする前に、自動運転にとっての地図の重要性からご紹介したい。

自動運転とは、人が運転していることを自動で行うものだ。では、運転とはどういう行為か? それは、「認知・判断・操作」という3つを繰り返すことである。

まず、認知とは、目による視覚、耳による聴覚、また鼻による嗅覚などによる『センシング』によって外部の情報を得ることだ。

判断とは、入手した情報を『アナライズ(分析)』すること。そして、操作とは、ステアリングを切ったり、アクセルやブレーキを踏むという、具体的な運転操作を指す。

これら3つの要素を自動運転では、カメラ、レーダー、超音波センサー、レーザーレーダー(通称ライダー)などのセンサーによって認知し、CPUやGPUといった演算装置によって判断して、アクチュエーターと呼ぶ可変機器によってステアリングなどを操作する。

こうした自動運転における一連の流れのなかで重要となるのが、地図情報だ。

一般の方にとって、クルマにおける地図というと、カーナビを連想するだろう。カーナビの役目は、出発点から目的地までの経路と、自車位置を地図上に映し出すことで、人の運転を手助けすることだ。技術的には、車載カーナビの場合、現在のGPSでは数十メートルの精度でだいたいの自車位置を割り出す。その上で、クルマの動きを感知するジャイロセンサーや、クルマの移動速度などから、地図上の道とのマッチングを行っている。

一方で、自動運転においても、カーナビと同様に経路と自車位置の把握が必要だが、当然、その精度は運転者がいる場合に比べて高い精度が求められる。換言すれば、自動運転にとって地図情報は生命線なのだ。

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最終更新:5/26(金) 16:57
オートックワン