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『鳥』『卒業』…あの有名なシーンを生んだ“ラブストーリー”にハリウッドが脱帽

5/26(金) 7:10配信

dmenu映画

この初夏、ハリウッドの寵愛を受けているドキュメンタリー映画がある。『ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリー』だ。ちょうど昨年のカンヌ映画祭に出品された同作は今月、米国で公開されるや、批評家たちの高評価を得て、ハリウッド業界内で話題に。あのウディ・アレンや、世界的な有名フィルムメイカーたちがプライベート試写会を依頼しているという。一体、なぜ? そして、魅力は何なのか、紹介したい。

被写体は、ハリウッド全盛期の名作映画の数々を支えた、絵コンテ作家のハロルド(今は天国へ)と、映画リサーチャーのリリアン(最高にチャーミング&パワフルな88歳)という夫婦。同ドキュメンタリーでは、2人の生い立ちやキャリア、ロマンス(駆け落ち!)を、ハリウッドの歴史や映画製作の舞台裏、数々の名作を交えながら振り返っていく。

ハロルドとリリアンは業界内だけが知る“秘密兵器”だった

絵コンテとは、脚本をもとに、シーンごとの背景や登場人物の表情などを描き起こしたもので、一見、マンガのコマのようなもの。映画製作にかかわるすべてのクルーやキャストが、脚本の“文字”だけでなく、視覚的に“絵”をイメージするために重要なプロセスだ。同ドキュメンタリーでは、名作映画の象徴的なシーンと、そのもととなったハロルドの絵コンテが次々と紹介されるのだが、そのラインナップがすごい。ヒッチコックの『鳥』で逃げ惑う人々を鳥たちが襲うシーン。『卒業』で“セクシーな足の向こうにダスティン・ホフマンの顔が見える”誘惑シーン。『十戒』でモーゼが海を割り、奇跡を起こして仁王立ちするシーン。このほか、『スタートレック』『フルメタル・ジャケット』『ローズマリーの赤ちゃん』『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』などの名シーンが、ハロルドの絵コンテそのものだったりするのだ。ところが、監督や脚本家、撮影監督と並ぶ(か、場合によっては、それ以上の)貢献者でありながら、当時、彼の名前がクレジットされることはなかった。いまや、ハリウッド映画のエンドロールは10分間も続くことがあるほど、すべての関係者やクルーがクレジットされているが、一昔前は、影の立役者たちは、業界内だけが知る“秘密兵器”だったのだ。

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最終更新:5/26(金) 7:10
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