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がん切除後の食道狭窄に「細胞シート」 世界初、東京女子医大と沖縄2病院が臨床研究へ

5/26(金) 11:15配信

沖縄タイムス

 豊見城中央病院と中頭病院、東京女子医科大学の代表者らは25日、沖縄県庁で記者会見し、早期食道がんで内視鏡手術を受けた患者が食道狭窄(きょうさく)を発症した際、その後の治療過程で生じる裂傷に同大学が開発した「細胞シート」を貼り付ける手法の臨床研究を近く開始すると発表した。細胞シートの再生医療技術による食道がん切除後の食道狭窄に対する研究は世界初のケース。来年5月までに6人の患者を治療し、結果を分析・検討する。

 食道がんを内視鏡手術で切除すると、患部が収縮し食道が狭くなる後遺症が起こりやすい。バルーンと呼ばれる拡張術を施すと、食道に裂傷が生じ、傷が原因で狭窄が再発するケースもあり、拡張術を何度も繰り返す患者も多いという。

 拡張術後にできた裂け目に細胞シートを貼り付けて食道を再生し、狭窄の再発を予防することで患者の負担軽減につながる。今回の研究では患者の口の粘膜から採取した細胞を培養して作ったシートを使う。

 豊見城中央病院と同大学は2015年、再生医療に関する連携協定を締結。国内初の事例として食道再生のための細胞シート培養技術の移転などに取り組んできた。今回の臨床研究に向けては中頭病院への細胞シートの輸送実験のほか、細胞シートを扱う医師の研修などを実施してきた。

 豊見城中央病院の加藤功大・先端医療研究センター長は「当院で作った細胞シートを輸送すれば県内のどこの病院でも治療ができるようになり、県内全体のメリットになる」と話した。東京女子医科大学が開発した細胞シートは心臓、角膜、軟骨などの疾患に対する臨床応用が進んでいる。同大学先端生命医科学研究所の清水達也所長は「食道に関しては新たな試みであり期待している」と話した。

 豊見城中央病院は国家戦略特区制度による再生医療の専用病床が整備されており、同研究は同制度を用いて実施する最初の取り組み。同研究は県の先端医療実用化推進事業の支援を受けている。

最終更新:5/26(金) 11:15
沖縄タイムス