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汚染あった基地跡地のサッカー場→アスファルトの駐車場に 用途変更で渦巻く不安や不満

5/26(金) 14:15配信

沖縄タイムス

 米軍嘉手納基地跡地にある沖縄市サッカー場の土壌汚染問題で、沖縄市が汚染対策が完了したとして、新たにアスファルト舗装の駐車場に用途を変更し、競技団体や環境の専門家から「原状回復ではない」「安全性に問題はないのか」と不満や不信の声が出ている。用途変更には条例改正が必要との見方もあり、市の政策決定のプロセスが問われそうだ。(中部報道部・比嘉太一)

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 同問題が発覚したのは2013年6月。嘉手納基地返還跡地にあるサッカー場の芝替え工事の際、米軍が廃棄したドラム缶19本が発見されたのを皮切りに計108本が確認され、沖縄防衛局のドラム缶周辺土壌調査で高濃度のダイオキシン類なども見つかった。

 市がサッカー場から駐車場に計画変更を明らかにしたのは、昨年12月の市議会定例会。隣接するコザ運動公園の駐車場不足解消や1万人多目的アリーナ整備事業の一環として、仲本兼明副市長が「サッカー場を駐車場として整備していきたい」と方針を初めて表明した。

 一方、市が施設を利用する市サッカー協会に用途変更の説明会を開いたのは、今年2月で「なぜ相談せずに決めたのか」と不満が噴出。同協会の有銘政敏事務局長は「今でも納得していない人は多い。後味が悪い決め方だ」と不満を漏らす。

 沖縄防衛局は先月、市の要望を受け、サッカー場をアスファルトで埋め立てて引き渡した。市は今年度、駐車場整備に向けて基礎調査を実施し、19年度に着工を目指す。その間は、イベント開催時の仮駐車場として利用できるようにする。

 用途変更で、環境問題をすり替えているとの批判もある。

 環境調査団体「インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)」の河村雅美代表は「まず、原状回復になっていない。調査結果を丁寧に総括してから政策を決定するべきだ」と批判。「調査結果を報告せず、政策過程がクリアにされないままの用途変更は汚染がひどいからではないか。アスファルトを埋めて問題にふたをしたと言われても仕方がない」と指摘する。

 また、条例改正の問題もある。市は「沖縄市立総合運動場体育施設条例」でサッカー場の場所や運用規定などを明記しているが、用途変更によってそごが生じる。市教育委員会は「まだ議論していない」と説明。今後、改正の必要性を検討するとしている。

 行政法に詳しい琉球大学の井上禎男教授は「条例でサッカー場が明記されている以上、対象変更の根拠自体が問われるはず」と指摘。「用途変更のみで足りるのか、今回の経緯に照らして条例上問題を生じないか、市は説明すべきだ」と話した。

最終更新:5/26(金) 16:35
沖縄タイムス