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リビ充家族[3] その日の気分で間取りが変えられる「間取りの無い家」実証実験中!

5/26(金) 10:52配信

SUUMOジャーナル

広々としたリビングに家族みんなが集まって、思い思いの時間を過ごす「リビ充家族(リビング充実家族)」。そんな暮らしを実現する方法は、リノベーションだけではありません。生活シーンに応じて間取りをフレキシブルに変化させられる住まい、「間取りの無い家」をご紹介します。

【連載】リビ充家族
「個室をコンパクトに抑えてリビングを広くとり、家族が集まってそれぞれ充実した時間を過ごす」
――そんな「リビ充家族(リビング充実家族)」が増えています。子どもが小さいうちはまだしも、大きくなったら? 勉強は? お父さん、お母さんの居場所は?……今回は、伊藤忠都市開発が試験的に制作した「間取りの無い家」のモデルルームを訪問しました。

■89m2の住まいで40畳以上のリビングが実現できる理由とは?

個室は小さくてもいいから、リビングは家族が集まってくつろげるゆとりのある空間にしたい……そう思っても、既存の間取りや設備ではむずかしいのが実情です。これまでにご紹介した2家族も、リノベーションで「リビ充」を実現していました。

今回、わたしたちが訪れたのは、伊藤忠都市開発が試験的に制作した「間取りの無い家」のモデルルーム。通常の間取りのモデルルーム(89m2)を改築して制作したという場所に足を踏み入れてみると、そこは……。

【画像1】これだけの広さがあれば、家族全員が集まり、ヨガマットを並べてストレッチだって、6mのパターゴルフだって楽しめそう。生活感を隠せる仕様だから、ホームオフィスや自宅サロンとしても活用できそうです(写真撮影/片山貴博)

ガラーン。何にもない空間でした。

それもそのはず。間取りの無い家とは、間取りに合わせて生活するのではなく、生活シーンに応じて間取りをフレキシブルに変化させるという発想から生まれた住まいです。この状態は、“家を最大限に広く活用できるよう変化させた間取り”バージョン。

一般的に、90m2 前後の住まいを従来の間仕切り壁で3LDKに仕切ってしまうと、20畳のリビングを手に入れるのさえ厳しいところ。けれども、「間取りの無い家」なら20畳どころか40畳以上のリビングでも、十分に実現可能です。さらにここから、壁を引き出したり、扉を開けたりすると……。

【画像2】壁に取りつけられたハンドルを引くと和室が、引き戸を開けるとシステムキッチンと可動式の作業スペースが現れます。大容量の壁面収納に収められたテーブルと椅子を並べれば、何もなかったはずの空間がパーティースペースに(写真撮影/片山貴博)

大きな作業スペースを備えたシステムキッチン、10名以上が集まっても余裕でテーブルを囲めるパーティースペース、食後にほっこりくつろげる和室までもが現れました!

■空間を多目的に使う工夫が必須! 3LDKは65~70m2の時代へ

「間取りの無い家」を設計したのは、武市健太さんほか、都市住宅本部に所属するメンバーです。住まいに関する知識が豊富なタレントのテリー伊藤氏をアンバサダーとして迎え、都心の住宅の限りあるスペースをいかに有効活用するか、丸1年かけて考え抜きました。

【画像3】「伊藤忠のマンションの購入層は30代後半から40代がメインでしたが、最近は20代後半から30代前半のお客様も検討頂いています。住宅にかけられる予算に限りがあり、よりコンパクトな物件を選ばれる状況も出てきています」と武市さん(写真撮影/片山貴博)

武市さんによると、「以前はファミリー向けの3LDKというと80~90m2あるのが一般的でした。ところが、最近はマンションの価格が高騰し、65~70m2で3LDKという間取りも珍しくありません。手狭になった住まいに合わせて窮屈に暮らすのではなく、空間を多目的に使うことで限られた空間をより有効に活用できるようにしたい。そんな思いでプロジェクトを進めました」。

■使うとき以外は隠せる間取り:水まわり(キッチン、洗面・脱衣室)

「間取りの無い家」が生み出すフレキシブルな間取りを、詳しく見ていきましょう。例えば、キッチンや洗面・脱衣室といった“使うための空間”は使っていないときに隠しておくことで、“寛ぐための空間”であるリビング・ダイニングを広く使える工夫がなされています。

【画像4】空間を広く使えるオープンキッチンですが、リビング・ダイニングから丸見えになるため、散らかっていると落ち着かないことも。使わないときに扉を閉めておければ、こんなにすっきり広々(写真撮影/片山貴博)

そこで生活している以上、使うための空間、とくに水まわりは、24時間356日美しい状態をキープするのは困難です。使っていないときに隠すことができれば、空間を広く使えるだけでなく、「いつもきれいにしておかなくては!」というプレッシャーからも解放されますね。

【画像5】家族みんなが使う洗面・脱衣所も、生活感が出がちな空間。使うときだけ間仕切り壁を兼ねた扉を開けて、プライベート空間に。使わないときは扉を閉めて、生活感を一掃しつつ空間を有効活用(写真撮影/片山貴博)

■使うときだけ引き出せる間取り:趣味の部屋(ホームシアター、和室)

コンパクトな住まいだからといって、キッチンや浴室、玄関といった生活に必要な機能を省くことはできません。どこにシワ寄せがくるかというと、趣味の部屋です。「ホームシアターが欲しい」「オーディオルームが欲しい」と思っても、優先すべき空間のために諦める方が多いのではないでしょうか。けれども、使うときだけ引き出す仕様なら、実現できる可能性は高まります。

【画像6】壁面のハンドルを引くと、ホームシアターが登場。大型スクリーンとプロジェクター、スピーカーが埋め込まれているだけでなく、引き出した壁の内側には大型ソファが造作されているため、ゆったりくつろげる雰囲気(写真撮影/片山貴博)

なくても生活できるけど、あったら生活が豊かになる空間は、使うときだけ引き出す。そんな間取りが手に入れば、「今日は家族で映画を見よう」「和室でお茶を飲もう」といった、非日常のリビ充が満喫できそうですね。

【画像7】赤ちゃんや小さい子どものいる家庭では、リビング横の和室は「あったらいいな」な空間です。使うときだけ引き出せる和室なら、コンパクトな家でも和室が手に入るかもしれません(写真撮影/片山貴博)

■形を変えられる間取り:個室(寝室、収納スペース)

限られたスペースのなかで広々としたリビングを手に入れるためには、個室を小さくしたり、なくしたりといった調整が必要です。連載1回目、2回目で紹介した実例のように、子どもが小さいうちは個室を設けず、大きくなったらリノベーションで個室をつくるという家庭もあります。

一方で、好きなときに、好きな大きさの個室をつくり出すことができるのが、間取りの無い家。例えば、壁面に格納されたベッドを開いて……。

【画像8】壁面収納できるベッドは、コンパクトな住まいの強力な味方。ベッド文化のアメリカではよく見かけますが、日本ではまだまだ一般的ではありません。先進的な企業による商品開発で、もっと普及してほしい仕組みです(写真撮影/片山貴博)

部屋の一角に埋め込まれた可動式クローゼットでベッドのまわりを囲めば、主寝室の完成です。間仕切り壁になる可動式クローゼットを自在に組み合わせることで個室を変形できます。

【画像9】ユニットを組み合わせることで間取りをカスタマイズする「TSUKURIE」や収納を自由に組み合わせてつくる「KATASU」といった商品の開発を行ってきた伊藤忠都市開発のノウハウが、「間取りの無い家」にはぎっしり詰まっていました(写真撮影/片山貴博)

●取材協力
伊藤忠都市開発株式会社 都市住宅本部 「間取りの無い家」公開中

●【連載】リビ充家族記事一覧
・リビ充家族[1] 充実したリビングなら中学受験だって乗り越えられる!
・リビ充家族[2] 61平米に家族4人。2LDKから1LDKへのリノベーションでかなえた快適な暮らしとは
・リビ充家族[3] その日の気分で間取りが変えられる「間取りの無い家」実証実験中!

きいさいとう

最終更新:5/26(金) 11:13
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