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無人なのにリピーター続出!? 日本最古の道にある無人販売所/奈良

5/26(金) 17:01配信

Webマガジン コロカル

コロカルニュースvol.2096

奈良県北部の天理市に、日本最古の道といわれているハイキングコースがあります。その名も「山の辺の道」は、北は奈良から南は三輪山の麓まで、山裾を縫うように続く道。その道程には『記紀』『万葉集』ゆかりの地名や、旧跡、社寺、古墳がたくさんあります。

【写真で見る】無人なのにリピーター続出!?〈せんぎりや〉日本最古の道にある無人販売所/奈良

しかもうわさによれば、超個性あふれる無人販売所もあるとのこと。そうと聞いては、行かないわけにはいきません。コロカル一行、山の辺の道をゆき、うわさの無人販売所〈せんぎりや〉の店主にお会いしてきました!

昔からたくさんの人が足跡を重ねてきた山の辺の道。せっかくいくなら、その道のりを辿ってみたいものです。というわけで、スタート地点の天理駅にやって来ました。(※1)駅前には、2017年4月にオープンした話題の〈天理駅前広場 コフフン〉があります。

今回は駅前で自転車を借りられると聞き、自転車でいくことに。こちらの〈吉本サイクル〉でレンタルしているのは、なつかしのママチャリです。

それではいざ、いにしえの古道をめぐる旅へ。駅前から東の山の方へ向かって自転車をこいでいくと、やがて大きな建物が姿を消し、小さな民家や畑が増えてきました。小さな道に入り坂道を上りきると、森の奥に神社が。ここは、日本最古の拝殿をもつ〈石上(いそのかみ)神宮〉。古代へと通じる道の入り口です。

その後は山を下ったり、畑のあいだにある急な坂道をのぼったり。ママチャリでもいける所なら楽勝と思っていたら、ちょっと甘く見ていました!

その後は〈天理観光農園/CAFE WAWA〉でひと休み。

それからしばらく進んでいくと、珍しい茅葺き屋根の拝殿がある〈夜都伎(やとぎ)神社〉があり、その辺りから静かな集落に入りました。

辺りにあるのは、歴史を感じる家々と田んぼ、草むらのみ。温かい空気に包まれ、どこかなつかしさを感じさせます。

※1 山の辺の道のハイキングコースには天理駅から奈良市に通じる〈山の辺の道 北コース〉と櫟本から奈良市に通じる〈伝・山の辺の道コース〉、天理駅から桜井駅に通じる〈山の辺の道 南コース〉があります。今回訪れたのは南コースです。
撮影:出地瑠以 ※天理駅前広場 コフフンの写真を除く


■いらっしゃいませ、おかえりなさいと語りかけてくる道

静かな集落を進んでいくと、とつぜん無人販売所を発見。お米や葉タマネギ、里芋などが並んでいます。この辺りには、なぜか無人販売所が多いのだとか。昔から多くの人が訪れた山の辺の道には、おもてなしの文化が根づいているのでしょうか。

さらに自転車をこいでいくと、ついにうわさの無人販売所〈せんぎりや〉さんに到着!

入り口の看板や貼り紙から、既に個性が溢れ出ています。なかに入ると、メイン商品の「せんぎり大根」や小豆、玄米、タケノコなどがいっぱい。奥には休憩スペースもあります。

ここのすごいところは、アイスクリームやビールまで販売されており、休憩スペースで自由にくつろいでいいこと。お金は料金箱に入れるようになっていますが、防犯装置のようなものはありません。何とも寛大です。

そうこうしているうちに、お店の方が出てきてくださいました。店主の仲谷一之さん(64歳)。


■いつもつくっているもの、いつも食べているものをお店に

なぜ無人販売所を始めたのかを聞くと、次のようにお話ししてくれました。

「私は農家としては3代目なんですけれど、もともとは左官屋の職人ですねん。せやけど病気をして、まぁなんとか生きていければ結構やなあと思って、この仕事に切り替えたわけです。土地を放っておいたらあきません」

そうして、いまから10年以上前に農業と無人販売所を始めた仲谷さん。当初はお店の名前にもなっている「せんぎり大根」の販売から始めました。

「そのせんぎり大根が売れていきまして、これならやっていけるんちゃうか、といって乾燥芋茎(ずいき)や切り干し大根も売り始めました。ほんなら、それも適当に売れていきまして」

乾物のつくり方には、お母さんの経験が生かされているのだそう。ところで、非常によく似たせんぎり大根と切り干し大根。一体何が違うのでしょうか?

「せんぎり大根は機械でザーッと切って、バーナーを使って一昼夜で乾かします。切り干し大根の方は包丁で切って、天日干しにして蒸しています。蒸さないとこの色は出ません。なぜか大阪方面の方にはせんぎり大根が売れて、京都方面の方には切り干し大根が売れます」

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