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「ギャバン」「キン肉マン」…歌手・串田アキラが語るヒーローの条件 サビ前「ヒー、ヒー!」の真相

5/28(日) 7:00配信

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 「宇宙刑事ギャバン」や「キン肉マン」などの主題歌で知られる串田アキラさんが、6月17日公開の映画「スペース・スクワッド ギャバンVSデカレンジャー」の主題歌を歌います。アニメ・特撮ソング界の重鎮クッシーが、米軍基地で歌った青春時代から名曲に秘められた意外なエピソードまでを語り尽くしました。(朝日新聞デジタル編集部記者・神庭亮介)

「ギャバン」「キン肉マン」…串田アキラの最強パワーボイス

米軍基地のクラブ、耳を疑った轟音の正体

 ――ミュージシャンを志したきっかけは。

 中学生の頃、横浜の伊勢佐木町にある米軍専用みたいなクラブに行った時に、出演していたバンドの人から「今度、基地に入ってみないか」と誘われたんです。基地のなかでバンドがドラムを叩いてる姿を見て、「これカッコイイな」と思ってドラム教室に通い始めました。

 それから座間や横田、厚木とかの基地で演奏していたんですけど、ドラムだけじゃ目立たないなと思って歌も歌い出して。初めて歌ったのはまだ十代の頃、確か沖縄の基地にあるクラブでしたね。返還前だったのでパスポートが必要でした。

 日本のバンドは5・6組出ていて、そのうち4組はブーイングを受けて帰されちゃう。兵隊さんがステージに上がって来て「帰っていいよ。でなきゃ俺らが帰るよ」って。ベトナム戦争中でしたから、「これから戦場に行くのに、こんな歌聴いてられるか!」っていう感じだったんでしょうね。

 ――日本人からするとかなりアウェイな状況ですね。

 そこでスティービー・ワンダーの「A PLACE IN THE SUN(太陽のあたる場所)」を演奏したら、「ゴーーーッ!!!」ってすごい音がしたんですよ。何が起こったのかと客席を見ると、黒人の人たちが前の方に押しかけてワーッと盛り上がってた。「やったー!」と思いましたね。

 以降はどんどん黒人音楽、ソウルミュージックを歌うようになって。世間ではグループサウンズやビートルズがはやっていたけど、自分たちがやりたいのは違うサウンド。ナット・キング・コールに始まって、ジュニア・ウォーカー&ジ・オール・スターズやテンプテーションズなんかにのめり込んでいきました。

 ――1969年に「からっぽの青春」でデビューします。

 テレビ番組に出たりもしたのですが、芸能界には関心がなかった。毎日ライブをやってましたから、そっちの方が好きでしたね。黒人問題を扱った歌を歌ったりすると、みんな泣きながら祈るように手を合わせて聴いてくれて。ああいうのを見てしまうと、ああ、ずっとここで歌わなきゃ仕方がないな、と。

 ハプニングも色々ありましたよ。基地で歌っていた時に、アンプが燃えてしまったんです。日本の機材だからボルテージ(電圧)が合わなかったみたいで。気づかずに歌い続けていたら、お客さんがワーッと寄ってきて「お前らカッコイイよ!」って言われましたね。

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最終更新:5/28(日) 10:17
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