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ポスト・リアーナ?美貌と影響力をもつ19歳、ザラ・ラーソンはスウェーデンから世界にはばたく

5/27(土) 18:19配信

M-ON!Press(エムオンプレス)

■10歳のときに出演したオーディション番組で、スウェーデン国民の注目を集める

多くの若い女性アーティストが才能と個性を競い合わせているなか、少し幼さが残るキュートなルックスに、ディープでソウルフルな歌声というギャップが与えるインパクトで、頭ひとつ抜ける存在感を放っているのがザラ・ラーソンだ。

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1997年生まれで、まだ19歳のザラ。スウェーデンの首都ストックホルムで生まれ、幼い頃からシンガーになることを夢みていた彼女がスウェーデン国民の注目を一身に浴びたのは、まだ10歳だったときのこと。

人気のオーディション番組に出演し、映画『タイタニック』の主題歌だった、セリーヌ・ディオンの大ヒット曲『マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン』を完璧に歌いこなして、見事に優勝したのだ。

あまりに若かったためにどのレーベルも契約に二の足を踏み、すぐにはデビューに至らなかったものの、5年後に晴れて1stシングル「Uncover」をリリース。類稀な歌声のパワーを強調する比較的オーソドックスなポップバラードで、スウェーデンのチャート1位を獲得することになる。

こうして地元で早々とブレイクした彼女は、次に国外に目を向けるのだが、本格的に海外での活動をスタートする前に、曲が独り歩き。2015年夏に国内で発売したシングル「ラッシュ・ライフ」が、口コミでヨーロッパ各地でヒットし始め、全英チャートでも最高3位まで上昇する。

トレンドのトロピカルハウスを取り入れ、あのビョークまでもがDJセットの定番に選んだことでも話題になった曲だ。さほどお金をかけたように見えないミュージックビデオは、この時点ではまだ世界をターゲットにしていたわけではないことを、如実に物語っているんじゃないだろうか?

これを受けてチャンス到来とばかりに、ザラはすかさず、マドンナやビヨンセともコラボしている英国人の売れっ子ソングライター兼シンガー、MNEK(エムニケ)と一緒に自ら書き上げた「ネヴァー・フォゲット・ユー」を発表。今度は全米チャートでトップ20に入り(最高13位)、世界進出への足掛かりを得たのだ。


■世界的ブレイクを遂げ、「世界で最も影響力のある10代」に選出される

では、ザラが活動の場をスムーズに広げるに至った理由は何か? 歌唱力もさることながら、「ラッシュ・ライフ」がいい例で、感覚が完全にインターナショナルであることが挙げられる。

日本では5月初めにリリースした世界デビューアルバム『ソー・グッド』には、世界中から選りすぐったプロデューサーやソングライターの協力を得て、R&Bやダンスホールからエレクトロポップまで、今のメインストリームポップの世界で鳴っているサウンドをずらりと網羅。

3rdシングル「エイント・マイ・フォールト」の仕上がりは、ビジュアルも含めて、アメリカのメインストリームのR&Bとなんら差はなく、声質が似ているためにしばしば比較されるリアーナ、あるいは、彼女が最大のお手本とするビヨンセの影響がありありとうかがえるというもの。

ちなみに、流暢に話す英語のアクセントもアメリカンだ。逆に、北欧の女性であることを思い出させるのは、フェミニストを自認するザラの発言の数々だろう。さすが男女平等先進国の出身、気になる事件が起きたりすると、歯に衣を着せない言葉で糾弾。しばしば物議を醸しており、アメリカの『TIME』誌が昨秋「世界で最も影響力のある10代」のひとりに彼女を選出した理由は、音楽的才能はもちろん、このような社会意識の高さにもありそうだ。

また新進の女性シンガーにとって、ダンスアーティストの楽曲へのゲスト参加がステップアップに繋がるケースが多々あるが、ザラも例外ではない。

昨年は、あのフランスのクラブ界の大御所デヴィッド・ゲッタが担当した、サッカー欧州選手権フランス大会のテーマソング「ディス・ワンズ・フォー・ユー」のボーカリストに抜擢され、パリで行われた開会式と閉会式でデヴィッド・ゲッタとのパフォーマンスに出演。結果的にヨーロッパ全土でヒットを博した。

最近も、3月にリリースしたクリーン・バンディットとのコラボ曲「シンフォニーfeat.ザラ・ラーソン」が、英国やスウェーデンでNo.1を獲得。ゲストとはいえ曲の主役は間違いなくザラの声であり、いつになく高音域を強調した表現で、新境地を拓いた感がある。

こうして着々と歩を進めている彼女は、すでに2度来日しており、8月の『SUMMER SONIC 2017』で初めて本格的なライブパフォーマンスを見せる予定だ。

スウェーデンのグラミー賞にあたる「GRAMMIS 2017」でも先頃、年間最優秀アーティスト賞を受賞。国民的スターとして揺るぎないポジションを確立しつつあり、これまたスウェーデン発のおなじみのブランドH&Mとのコラボレーションによるコレクション「ZARA LARSSON><H&M」を世界同時に発表したばかり。海外における母国の顔として、今後活躍の機会が増えるだろうことも想像に難くない。

TEXT BY 新谷洋子