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「海辺のリア」84歳の仲代達矢が「キャリアも人生も続けるぞ!」宣言

5/27(土) 11:13配信

映画ナタリー

「海辺のリア」の公開を記念した仲代達矢のトークイベントが5月26日に東京・代官山 蔦屋書店にて行われた。

【写真】仲代達矢(他15枚)

小林政広が監督と脚本を担当した仲代の主演最新作「海辺のリア」。かつてスター俳優だったが、現在は認知症の疑いがある主人公・桑畑兆吉を演じた仲代は「60年間160本の映画に出てきましたが、初めて遭遇したような映画。お客さん1人ひとりいろんな感想があっていい」と述べる。「台本に『これは仲代達矢の映画です』と書いてあるから、責任感を感じて台本を1カ月で全部暗記しました」と回想し、「劇中に出てくる『リア王』のセリフは特に懸命になって覚えた。毛筆で紙に書いて、寝室や天井にもそれを貼りつけて。夢の中までセリフが追いかけてきてワーッ!て飛び起きるなんて経験もあるんです」と明かす。そして「私、もともと不器用な役者なんで人の10倍くらい努力を重ねないと」と吐露する。

本作での共演者について「阿部(寛)さんは日本で一番のイケメン。でも芝居したらうまいんですよ、強烈な演技者だと思いましたね」とコメント。「原田(美枝子)さんは『乱』『果し合い』に続いて、また私をいじめるんですよ」と笑いながら話し、「黒木(華)さんには鮮度を感じて勉強になりました」と話す。

仲代は自身のキャリアを「五社協定に縛られず自由にできた」と振り返る。黒澤明の「天国と地獄」の現場では「黒澤さんに『ヘンリー・フォンダのイメージでやってくれ』と言われた。黒澤さんは形から入るので『ヘンリー・フォンダにしては額が狭い』と言われて、毎日メイクさんにカミソリで額を剃られました」とエピソードを披露した。小林正樹の「切腹」撮影時には「10年先輩の三國連太郎と演技論を交わした。生意気だったんでしょうね」と述懐した。

「敗戦後、ジョン・ウェインさんが出ている『駅馬車』を観て興奮したんですね。3食を1食にして年間300本の映画を観た。俳優養成所時代に一番好きだったのはマーロン・ブランドで、中でもエリア・カザン監督の『波止場』が大好き」と映画体験についてもうれしそうに語る仲代。そして「いかに観ることが大事か。アメリカ映画やヨーロッパ映画が私の最初の先生です」とルーツを振り返った。

最後に「アラン・ドロンさんがこないだ『キャリアはおしまいだ。人生はこれからも続ける』とおっしゃっていてとても名言だと思うんですが、私はキャリアも人生も続けるぞと思ってます!」と力強く宣言してイベントの幕を引いた。

「海辺のリア」は、6月3日より東京・テアトル新宿、有楽町スバル座ほか全国で公開。黒木華、原田美枝子、阿部寛、小林薫が出演した。



(c)「海辺のリア」製作委員会

最終更新:5/27(土) 11:13
映画ナタリー