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樹木希林、河瀬直美に「なんでカンヌにかわいがられるの?」と質問

5/27(土) 17:39配信

映画ナタリー

第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出された「光」の初日舞台挨拶が本日5月27日に東京・新宿バルト9にて開催され、キャストの水崎綾女、神野三鈴、藤竜也、樹木希林が登壇した。

【写真】水崎綾女(他14枚)

本作は、視覚障害者の映画観賞用音声ガイドを制作する美佐子と、視力を失いゆくカメラマン・雅哉が惹かれ合っていくさまを描いたラブストーリー。永瀬が雅哉、水崎が美佐子を演じた。

樹木は声の出演をした本作について「河瀬さんがとっても成長したような気がしました。でも中は大変だったんでしょうね」と述べ、水崎に向かって「あなた『消えてなくなりたい』とか思わなかった? なんで大丈夫だったの? 『河瀬さんより私のほうがきれい』って思ったから?」と質問攻め。「必死で食らいつきました」と答える水崎に対し、「それだけの値打ちはあったわね」と返して会場を沸かせる。

続いて、作品にちなんで登壇者にとっての“光”が発表された。“底にあるもの”と書いた水崎は「光とは“心の底にある光”だと思って劇中ではガイドを付けさせていただきました。この作品を通してそれぞれの“根底にある光”を見つけていただけたら」と語る。“世界で一番美しい言葉”と書いた藤は「カンヌでフランス人の記者が、『今カンヌにはこの映画が必要なんだ』と言ったそうです。ヨーロッパが不安定な今の状況下で、必要なのは光だと思います」と思いを述べた。

さらに、仏カンヌ滞在中の永瀬、監督の河瀬直美と登壇者たちがスカイプで会話することに。現地時間で明日受賞作が発表されると聞いた樹木は「人は脚光を浴びたときに、いろんな人たちの心が渦巻くことで変わるんですよ。そこで潰れるか花開くかは、その人の器量」と見解を述べる。そして「河瀬さんはもともとちょっと勘違いしてるようなところがありますから。どの女優よりも素敵な洋服着てねえ。でも、そのへこたれなさでコツコツといい映画をこれからも作ってもらえたら」と河瀬にエールを送る。河瀬は「カンヌで作品を観た人が『温かい気持ちになりました、これは私のパルムよ!』と言ってくれました。映画は人と人がつながる出会いを作ってくれるもの」と喜びを語る。

藤が「観た人間の数だけ映画がある。素晴らしい映画を作れたのをカンヌでは目の当たりにしました」と話すと、河瀬は「日本で長い間、役者をされているお二人にそう言われてグッと来ます。真摯に作り続けた先に光があるんだなと実感しています」と感涙の様子。「河瀬さんはなんでこんなにカンヌにかわいがられるの?」と樹木が無邪気に問いかけると、河瀬は「私がまっすぐ作っていることを大事にし、抱きしめようとしてくれている。デコボコしてる作品でも、次の作品を見つめたいと思ってくれている気がするんです」と誇らしげに伝えた。

最後に永瀬は「カンヌは映画を深く理解しようとしてくれる。この映画を『すべての人に対してのラブレター』だと言った記者がいました」と報告。そして「視覚障害者やディスクライバー(音声ガイド原稿制作者)の皆さんにいろんな気持ちを託していただいて、その魂を河瀬さんに一緒にお預けして映画の中で生きられたと思います」と述懐し、「皆さんに光が届きますように」とメッセージを送った。

※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記



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最終更新:5/27(土) 17:39
映画ナタリー