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白鵬「長かった」1年ぶりV38…限界説を一蹴

5/28(日) 6:04配信

スポーツ報知

◆大相撲夏場所14日目 ○白鵬(寄り切り)照ノ富士●(27日・両国国技館)

 横綱・白鵬が1年ぶり復活Vを果たした。2敗の大関・照ノ富士を寄り切って14連勝。千秋楽を待たず自身の持つ最多優勝記録を38に更新した。2007年夏場所後の横綱昇進以来、5場所の優勝ブランクは自身最長。右足の手術や2度の休場を乗り越え最強横綱が頂点に返り咲き、千秋楽では前回の優勝以来となる全勝優勝に挑む。大関昇進を確実にしている関脇・高安は前頭5枚目・正代に敗れ3敗目。

 優勝を決めた白鵬は支度部屋で大きく息を吐き出した。「いろんな思いがありますがやっぱり、うれしいです。(優勝は)全部が特別だけどね、今回はひと味違うかな。やっぱり長かったな」。1年前は「ジュースのように甘い」と表現した優勝の味。一気にペットボトルの水を飲み干すと、忘れかけた感覚が体中を包み込んだ。

 慎重だった。今場所自身最長の36秒4の熱戦で賜杯をたぐり寄せた。立ち合いで右は差せたがどうしても左のまわしが取れない。「我慢するところは我慢」。頭をつけた照ノ富士を起こして強引に左をねじ込むと一気に出た。最後は深く腰を落とし拝むように寄り切り。全てを出し切って優勝の二文字を取り戻した。

 横綱昇進後、長くても3場所だった賜杯を5場所も逃してきた。右足親指を骨折して昨年秋場所は横綱昇進後では初の全休。「調子がいい」と豪語した今年春場所は再び右足などを痛めて17年ぶりにそろった4横綱で真っ先に休場した。その間に稀勢の里に地位で並ばれ主役の座を失い冗談交じりに「引退しようかな」と話すこともあった。

 弱気をかき消したのは宮城野親方(元幕内・竹葉山)のゲキだった。「優しいままじゃダメだ。大関に上がる前の鬼のような自分を思い出しなさい」。入門から一番間近にいた師匠の言葉に、鬼気迫る表情で強さだけを求めた若き日を思い出した。場所中は酒を断ち、外出を控えて部屋に戻り1時間以上も体をケア。13日目の夜は肉を食べて英気を養い、一気に勝負を決めた。

 強さを取り戻した第一人者を見た八角理事長(元横綱・北勝海)は、「復活というけど復活ではない。そこまで(力が)落ちてはないからね」と限界説を一蹴。帰り際、「今日だけは飲むのか?」という問いに、「真っすぐ家に帰る」と即答。勝利の美酒に浸るのは白星を15個並べたときでいい。(網野 大一郎)

最終更新:5/28(日) 18:44
スポーツ報知