ここから本文です

就職で5千人が県外流出 岡山県内の高校出身者

5/27(土) 0:20配信

山陽新聞デジタル

 岡山県内高校の出身者が高校や大学を卒業して就職する際、同学年の3割に当たる5千人程度が県外に流出している可能性があることが、山陽新聞社の推計で浮かび上がった。県外の大学に進んだ学生のUターン就職率の低さが大きな要因になるなど、大学卒業時の動向が鍵を握る。県人口の減少に歯止めをかけるためには、岡山に帰りたいとの思いを育む教育や、魅力ある雇用の受け皿づくりが求められる。

 昨年3月に県内高校を卒業した生徒の進路状況をベースに、山陽新聞社が県内大学に行った卒業生の就職先アンケート(昨年9月、17校のうち16校回答)、県が県外大学に実施したUターン就職率調査(同4月)の結果を加味して、県外で就職する人の数をシミュレーションした。

 2016年度学校基本調査によると、昨春の県内高校(全日制・定時制)の卒業生は1万7534人。このうち卒業時に県外就職を選んだのは737人だった。大学進学者については、県内の大学に進んだ3813人のうち約800人と、県外の大学に進学した5010人のうち約3500人が県外で職に就くと推測される。

 その数を合計すると約5千人。県内高校出身者全体の3割ほどが就職で県外に流出する計算だ。

 山陽新聞社と県の調査によると、県内大学への進学者の県外就職率は23%、県外大学に進んだ人のUターン就職率は3割程度で、全員が将来的に就職すると仮定して、その割合を当てはめ試算した。進路を把握できていない専修学校の卒業生らを含めれば、就職を機に岡山を離れる人の数はさらに増える可能性もある。

 今回のシミュレーションで、若者流出の構図があらためて浮き彫りになった。大学進学者のうち57%が県外の大学に進み、その多くが地元に帰らずに就職している。岡山に戻ってくる「ブーメラン人材」を育てるためには、高校までに地域の産業やまちづくりについて学ぶ「地域学」を推進することや、Uターン就職の基盤づくりが欠かせない。

 一方、岡山は全国で13番目に大学数が多いこともあり、昨春、県外の高校から5231人が県内の大学に入学した。大学入学時点では、県外への流出を上回る転入超過だ。山陽新聞社のアンケートでは、27%が県内で就職しており、1400人程度が卒業後も岡山に残る見通しで、この比率を上げることも課題となる。