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喫煙者の息に有害物質、30分以上 禁煙専門医が指摘

5/27(土) 17:59配信

福井新聞ONLINE

 5月31日~6月6日は禁煙週間。厚生労働省が定めた今年のテーマは「2020年、受動喫煙のない社会を目指して」。他人のたばこの煙を吸う「受動喫煙」をめぐっては、同省が飲食店を原則禁煙にする法整備を進め、その在り方が議論されている。福井県内の禁煙専門医は「たばこの煙はとても小さな粒子で、空気中に長期間滞留する。喫煙者が吐く息にも30分以上にわたり有害物質が含まれる。分煙や空気清浄機では受動喫煙は防げない」と指摘。屋内の全面的な禁煙対策とともに、全国的にも関心が低いとされる県民のたばこの害への理解を求めている。

 ▽年間1万5千人死亡

 日本では毎年約13万人が喫煙を原因とする病気(がん、循環器疾患、呼吸器疾患)で死亡している。たばこの先から出る副流煙には発がん性物質やニコチン、一酸化炭素などの有害物質が、喫煙者が直接吸い込む主流煙の数倍含まれ、受動喫煙(2次喫煙)によっても年間約1万5千人が亡くなっていると推計されている。

 厚労省の専門家会合は昨年8月、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群などの発生は受動喫煙が大きく関係しており、リスクの高さは最高の「レベル1」と判定する報告書をまとめた。子どもの呼吸機能の低下、ぜんそくの重症化、虫歯などに関しても因果関係を示唆する「レベル2」としている。

 また、たばこを消した後でも有害物質は毛髪、衣類、カーペット、カーテン、家具などに付着し残留する。特に小さな子どもや犬猫などのペットは、これらの有害物質を吸入する「3次喫煙」の影響を受けやすいとされる。

 ▽日本は「最低レベル」

 公共の場所の全てで屋内を全面禁煙とする法律などを施行している国は、2014年時点で49カ国(13億人)。世界保健機関(WHO)によると、日本の受動喫煙対策は「最低レベル」。五輪開催国では2008年の北京大会以降、いずれも飲食店は屋内禁煙としてきた。県済生会病院で禁煙外来を担当する小林弘明呼吸器外科部長は「日本も東京五輪に向け、飲食店を含め公共の場所は屋内は全面禁煙にするべき」と語る。

 製薬会社ファイザー(東京)が14年に行った調査によると、福井県民の禁煙挑戦率は全国2番目に低かった。さらに受動喫煙防止条例の制定に反対する割合は最も高く、受動喫煙対策が不十分と思っている割合も最も低かったという。小林部長は「たばこは喫煙者のみでなく、周囲の非喫煙者にも多くの病気を引き起こすことを知ってほしい」と訴える。

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