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吉行和子が見せた「不在の存在感」…映画「家族はつらいよ2」

5/27(土) 15:00配信

スポーツ報知

 女優・吉行和子(81)が出演した山田洋次監督(85)の新作「家族はつらいよ2」が27日に封切られた。3世代10人の平田家が繰り広げるドタバタ喜劇の第2弾。母・富子役を務める吉行は、出演時間こそ少ないものの独特の存在感を発揮している。80歳を超え、なお活躍を続ける現在の心境を聞いた。(北野 新太)

 示したのは「不在の存在感」だった。スクリーンに映っていない時も、観客は心のどこかに吉行の存在を抱くことになる。

 「今回はあんまり映っていないだけに、映画館で見ながら、ああ自分も家族の一員なんだということが誇らしいような、楽しいような気持ちになりながらしんみりとしていました」

 前作では橋爪功演じる一家の父・周造と熟年離婚の危機に陥る過程をコミカルに演じたが、ピンチを乗り越えた今回の富子は早々にオーロラ見学ツアーに旅立ってしまい、平田家で発生する騒動には立ち会わない。

 「前回は、今までお父さんが気持ちよく働けるように生きてきたけど、これからは自分の好きなように生きるんだ、と宣言を女性に共感していただきましたけど、今回だけ見た人に『なんて勝手なお母さんなんだ!』と思われてしまわないか心配なんです…。前回も見ていただけたら私の気持ちも分かっていただけると思いますけど…」

 ところが、遠く離れていても家族の一員としての存在感は消えずに残っている。周造が小料理屋の女将(おかみ=風吹ジュン)にうつつを抜かす時はやはり富子の姿が思い出されるし、クライマックスシーンでは、家に飾られた写真の中の人物として重要な役割を果たす。

 「あのシーンがすごく良くてすごく好きで、私もちょっとでも役に立っていたらと思うと…良かったです。私も報われましたね…」

 自らの配役を「私の役」ではなく「私」と語る。演じた対象としてではなく、自己と同一視している。

 「これだけ長くやっていますと、役の気持ちになっちゃっていますからね。橋爪さんと夫婦役になるのは5回目ですけど、本当に血のつながった家族のように居られます。長く連れ添った感覚があるんですよ」

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最終更新:5/27(土) 15:00
スポーツ報知