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佐藤琢磨が2012年インディ500最終ラップから学んだこと

5/27(土) 10:00配信

motorsport.com 日本版

今年はトップを争うことができるはず

 2012年のインディ500。レースは最終ラップに突入していた。その時2番手を走っていた佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン/当時)は、ターン1で首位を行くダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ/当時)を抜こうとした。しかしマシンはバランスを崩してスピン。佐藤のマシンはアウト側のウォールの餌食となった。日本人ドライバーが、インディ500の優勝に最も近づいた瞬間だった。

【動画】2012年インディ500 最終ラップのフランキッティvs佐藤琢磨

 昨年までA.J.フォイト・レーシングに所属していた佐藤琢磨は、今季からアンドレッティ・オートスポートに移籍した。佐藤は先月取材に応じた際、この移籍は競争力のあるマシンへの欲求によって成し遂げられたモノだったと語った。

「アンドレッティのクルマは、過去3年間のインディ500でとても力強く、印象的でした」

 佐藤はそうmotorsport.comに対して語った。

「僕らは、去年と同じくらいに競争力があると思っています。トップを争うことができるでしょう。それについては心配していません」

 実際に予選では、アンドレッティ・オートスポート勢が速さと強さを見せた。昨年勝者のアレクサンダー・ロッシが3位、佐藤が4位で、インディ500スポット参戦のフェルナンド・アロンソが5位となった。さらにマルコ・アンドレッティも8位、ライアン・ハンター-レイも10位と、トップ10のうち半分を占めているのだ。

 佐藤との会話は今季の話題が中心だったが、それは突然、最後の最後で勝利を逃した、2012年のインディ500のことに移っていった。

もし同じポジションにいたら、今年は違うやり方をする!

 200周レースの199周目、フランキッティと佐藤は、スコット・ディクソンをオーバーテイクし、首位と2番手に浮上した。そして最終ラップの1コーナー、2番手の佐藤はフランキッティに勝負を挑んだ。フランキッティは、コースのインサイドにマシン1台分の幅を残しており、佐藤はそこにマシンをねじ込んだのだ。しかし、マシンはリヤのグリップを失ってスピンし、アウト側のウォールに激突。勝利はフランキッティのモノとなった。

 このアクシデントについては様々な見方がある。フランキッティがインを閉めすぎたのか? 佐藤のドライビングが大胆すぎたり、もしくは遅すぎたのか? また彼はターン3まで待つべきだったのか……。

 あれから5年。佐藤はインディ500の勝利に向けて意気込みを語った。

「もし同じポジションにいたら、違ったやり方をしますよ、もちろん。そうじゃなければ、同じ結果になりますから」

 そう佐藤は笑う。

「その経験は、素晴らしいモノでしたよ」

「しかし真面目な話をすれば、多くの人はターン3まで待つべきだったと言いますが、事実は異なっていたんです」

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