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メガネかけてもよく見えない「心因性視力障害」ってどんな病気

5/28(日) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「心のストレスによって視力が落ちる病気です。8~10歳の女子に多く、大人にはめったに見られません」

 こう説明するのは、道玄坂加藤眼科の加藤卓次院長だ。その病気は「心因性視力障害」。古くからある思春期前特有の症状ながら、子供のストレスがニュースなどで取り上げられると付随して話題になる。視力低下の度合いは0.2~0.7。自覚症状がないことが多い。学校の視力検査で異常を指摘され、眼科を受診して初めて発覚するケースがほとんどだ。

「視力検査をすると視力が良くないのに、メガネをかけても改善しないのが特徴です。さらに、脳や網膜の検査でも異常がなければ、心因性視力障害が疑われます」

 原因のストレスは、親の死別や離婚といった深刻なものから、学校のクラス替え、妹ばかり可愛がるなどさまざま。あらゆることが引き金になるという。

「良い子が患者に多いのは、自分の気持ちを抑え込んでしまうせいだと思います。見るからにやんちゃで、普段からストレス発散ができている子は、ほとんどいません」

■放っておいても失明しないが…

 原因としてユニークなのが「メガネへの憧れ」。メガネをかけている友達や先生のことを「かっこいい」と思う気持ちが視力低下を促すという。そんなケースには、「メガネだよ」といって“だてメガネ”をかけさせると、視力が回復することがあるという。

 ストレスが原因ゆえ一般に眼科的な治療法はないが、放っておいても失明することはなく、1年くらいで良くなることがほとんど。ただし、まれに脳腫瘍や先天性白内障など深刻な病気が隠れていることもあるから、一度は眼科を受診するのが無難だろう。その上で子供と向き合って、ストレス解消の方法を探るのだ。

「親が子供を膝枕したりして人工涙液などを点眼すると、スキンシップ効果でストレスが軽減。改善することがあります」

 親が深刻になり過ぎると、かえって「治りにくくなる」という。親は、子供の心の声に耳を傾けながらゆっくり向き合うしかない。