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初週20万枚超えの防弾少年団って誰?快進撃のワケ

5/28(日) 11:00配信

デイリースポーツ

 韓国の男性7人組グループ・防弾少年団の新曲「血、汗、涙」が、22日付けオリコンチャートで初登場1位を獲得し、初週だけで23・9万枚のロケットスタートを切った。海外アーティストとしては今年度最高値。出荷ベースでは、すでに30万枚を超えている。K-POPファン以外にはなじみが薄いかもしれないが、2014年に日本デビューし、今回が7枚目のシングル。売り上げ枚数の自己記録を大幅に更新した。CD不況が叫ばれる時代に一体、何が躍進を生んだのか。快進撃の理由を探った。

 昨年3月に発売された前作「RUN」の売り上げ枚数は12・5万枚。実に2倍以上の飛躍だ。もともとキレの鋭いダンスとシンクロ率、メンバーが作詞作曲するエモーショナルな楽曲の世界観は支持されていたが、日本での知名度は決して高いとはいえなかった。オリコンで海外アーティストが初週20万枚を超えたのは、東方神起の「Why?(Keep Your Head Down)」が23・1万枚を記録して以来、6年ぶりだ。

 要因の1つには、グループの世界的な評価の高まりがある。

 今作が移籍第1弾となるレコード会社の担当者は「K-POPと限定するのではなく、洋楽の海外アーティストと同じイメージで宣伝を考えました」と明かす。韓国大衆文化ジャーナリストの古家正亨氏も「防弾少年団のブランド力は世界的に広がっていて、K-POPの枠を超えている」と解説した。

 実際、2016年10月に韓国でリリースした3枚目のアルバム「WINGS」は、米ビルボードチャートで26位にランクイン。宇多田ヒカルの「Fantome」でさえ、200位に入らなかったチャートだ。

 防弾は世界ツアーのアメリカ公演では、2万人キャパの会場を埋める。現地の韓国人ファンだけでなく、さまざまな人種に支持され、119の国と地域でiTunesチャートの1位に輝いているのも1つの証左だろう。

 アメリカの現地時間21日に開催されたビルボードミュージックアワードではジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデらと並び「トップ・ソーシャル・アーティスト」にノミネートされ、見事に受賞した。昨年まで6年連続でジャスティンが受賞していた部門で、この1年間のアルバムおよびデジタル配信の売り上げ、ストリーミング、ラジオ放送回数、ファン投票などの合算した数値が評価基準となっている。

 その評価の着火点となった「WINGS」のリード曲を日本語バージョンにしたのが「血、汗、涙」。世界基準の楽曲が発売されると期待感が高まっていた。

 加えて、宣伝戦略も従来のファンだけでなく、新規の掘り起こしに成功した。2月から7月まで世界ツアー中のため、来日キャンペーンができるようギリギリまで調整。レコード会社の担当者は、定評のあるパフォーマンスを露出することにこだわった。

 9日夜に来日すると、発売日の10日に情報番組「スッキリ!」に生出演し、新曲を披露。その後、東京・六本木ヒルズアリーナでイベントを開催した。イベントのネット速報が夜の時間帯に広がり、明けた11日には「ZIP!」のインタビューなど情報番組やスポーツ紙に露出。12日になると、計画的に2月から密着してきたフジテレビ系「めざましテレビ」の特集や生出演、夜の音楽番組「Mステ」でのピックアップ、「バズリズム」での歌唱出演など、発売日以降に絶え間ない接触の場を作った。

 結果として、予約分が換算される発売初日以降も売り上げの減り幅を抑制。話題を絶やさず、防弾以外のK-POPファンや新規ファンに“お祭り感”を伝え、パイを拡大させた。

 上昇傾向にあった期待感と、それを相乗効果で増大させた切れ目のないスタートダッシュ戦略。春の事件とも呼べるスマッシュヒットで、K-POPの再ブームを予感させている。5月30日から7月2日にかけて日本ツアーもスタート。全国縦断の旅でさらなる話題を呼び、平均年齢22歳の7人が一気に知名度を高めそうだ。(デイリースポーツ 古宮正崇)