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【佐藤優コラム】深刻「ロシアゲート」米情報機関がトランプ大統領排除画作!?

5/28(日) 12:03配信

スポーツ報知

 10日に米国のワシントンでトランプ米大統領とロシアのラブロフ外相が会談した。この際、トランプ大統領がラブロフ外相に、第三国(報道ではイスラエル)から得た「イスラム国」(IS)に関する情報を漏らしたことが深刻な問題になっている。

 今回、トランプ大統領がラブロフ外相らに伝えたとされる情報が、米国のCIA(中央情報局)が協力者から得た機微に触れる情報あるいはNSA(国家安全保障局)が通信傍受によって得た秘密情報だったならば、このような問題は生じない。なぜなら、CIAもNSAも行政機関で、その最高責任者はトランプ大統領だからだ。自国のインテリジェンス(諜報)機関が独自に入手した情報の秘密指定を解除し、外国人に伝える権限は大統領にある。

 しかし、第三国のインテリジェンス機関から得た情報となると話は別だ。インテリジェンスの世界には「サード・パーティー・ルール(第三者に関する規則)」という掟(おきて)がある。日本がA国の機関から北朝鮮の核開発に関する秘密情報を入手したとする。日本は同盟国である米国にこの情報を伝えたい。しかし、日本は勝手に伝えることはできない。伝えたい場合には、事前にA国から明示的に了解を得る必要がある。これがサード・パーティー・ルールだ。このルールを守らない国は、インテリジェンス・コミュニティーから排除される。

 トランプ大統領は、これまでインテリジェンスに触れる機会がほとんどなかったので、この掟を知らなかった可能性は十分ある。そういうときは、CIA長官が閉ざされた扉の中でこのルールを説明し、「以後気をつけてほしい」と要請するはずだ。しかし、今回は、トランプの掟破りに関する情報がいきなり表に出た。このことも尋常な事態ではない。米国政府内で、CIAなどのインテリジェンス機関が「こんな大統領は米国にとって有害なので排除しよう」と画策しているのだと思う。(作家・元外務省主任分析官)

最終更新:5/28(日) 12:03
スポーツ報知