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「100円を10万円にする技術」で世界へ。“下町ボブスレー”の社長が「最強ソリ」を作る理由

5/28(日) 6:00配信

ホウドウキョク

下町ボブスレープロジェクト推進委員会の細貝淳一ゼネラルマネージャー。金属材料を販売する会社を経て、1992年にアルミ加工業の「マテリアル」を創業し、2011年に東京・大田区の町工場でボブスレーを作る「下町ボブスレープロジェクト」を立ち上げた。詳しい話を伺いにタケ小山が大田区の「マテリアル」本社を訪れた。

「“下町ボブスレー”細貝淳一社長×タケ小山」の写真や音声はこちらから

生まれ育った町工場の街の魅力とは

中学校卒業後から働き始めた細貝社長。様々な仕事を転々とする中で、人とのコミュニケーションを取ることに向いているのかもしれないと気づかされる。そんな折に、素材を扱う町工場の社長からスカウトされる。

町工場で目の当たりにしたのは「100円の素材を加工により10万円にする」技術。これぞ、日本が誇る大田区の町工場の力だと感じたという。しかし、彼がこの地に根を下ろしたのはそれだけではない。今では無くなりつつある「人と人とのつながり」に魅せられたからだ。今、彼が手にしている一流の加工技術は、近隣のおせっかいなおじちゃん、おばちゃんから直接教わったものだという。これが彼の原点なのである。

これにはタケも「へぇ~そんなことあるのかね~」と町工場の温かみに感心。

しかし現在は、情報漏洩の懸念などもあって、こうした人と人との繋がりは希薄になってしまった。そこで、「1つの目標があれば、こうした集いがまたできるのではないか?」と考えたという。

さらに、「自分たちをアピールするために、オリンピックの道具、それも自分たちには技術がない炭素繊維の分野だったら一つの目標として面白いのでは」と考え、そこから「日本企業が進出していない分野で」と、ボブスレーの道へ進んだ。

ボブスレーを作ろう!

「誰がボブスレーって考えたんですか?」タケが聞いた。

「炭素繊維でオリンピック目指したい」と言っていたら、大田区産業振興協会の職員が持ってきてくれたという。しかし、ボブスレーの知識は完全にゼロ。そこで仙台大学からメンテナンスをすることを前提にソリを借りて来て分解した。中を見ての感想は「こんなもんか」だったという。

それを参考に、とりあえず試しに1台作ることに。それがメディアに注目され、それを見た北海道の選手が「私たちに作ってほしい」と名乗り出るなど、嬉しい連鎖が生まれた。俄然やる気になった細貝社長。その後、若手の経営者を呼んで、テーブルの上に図面を広げて、「好きな図面を持っていってくれ!」と呼びかけてチームが編成。プロジェクトがスタートした。

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最終更新:5/28(日) 6:00
ホウドウキョク