ここから本文です

山頂で発見した「経筒」、帰属先決まらず20年

5/28(日) 18:21配信

福井新聞ONLINE

 福井県勝山市と大野市にまたがる経ケ岳山頂(1625メートル)で発見され「越前国平泉寺」の銘が刻まれた経筒(きょうづつ)が、27日から勝山市の白山平泉寺歴史探遊館まほろばで公開。勝山市で公開されるのは発見当時以来20年ぶり。経筒は両市が帰属を巡って綱引きした経緯があり、今も結論が出ていない。

 経筒は1997年、経ケ岳山頂の経塚の盛石に挟まっていたのを、松岡町(現永平寺町)在住の登山者が発見した。勝山、大野市境の稜線(りょうせん)上だったことから当時、両市が帰属権利を互いに主張。現地調査も行ったが結論が出ず、発見者が持ち込んだ現在の永平寺町教委が今も保管している。

 経筒は2点あり、ともに青銅製で高さ15センチ(13世紀)と10センチ(1522年)。小さい経筒には表面に金メッキが施され、側面には「平泉寺」の銘文が刻まれている。ふたにはハスの花の文様がある。

 銘文からは甲斐国(山梨県)の僧、竹陰(ちくいん)が経典を納め、平泉寺で修行していたとみられる上野国(群馬県)出身の願秀(がんしゅう)に託したか、経ケ岳に案内させ埋めたことがうかがえる。

 経筒が白山禅定道とは外れた経ケ岳から見つかったことは、経ケ岳が平泉寺から広がる白山信仰の重要な霊場として存在していたことを裏付ける歴史的な価値があるとみられる。

福井新聞社