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三つの大手術から回復「次は誰かを助けたい」 先天性心疾患の浦崎隆之介さん

5/28(日) 5:05配信

沖縄タイムス

 「ずっと助けられる側だった。これからは助ける側になりたい」-。三つの先天性心疾患を併発する珍しい「複雑心疾患」で、沖縄県豊見城市の浦崎隆之介さん(26)は生後12日で心臓手術を受けた。4歳での2回目の手術は当時、県内初とみられる「Konno手術」で、昨年3月には3度目の大手術も乗り越えた。経過は順調で、通っている知的障がい者就労支援施設での仕事にも復帰。通院は続くが「次は誰かの役に立ちたい。自分ができることを探したい」と意気込む。

 浦崎さんは、右心室と左心室を隔てる壁に穴が空いた「心室中隔欠損」と、全身に血液を送る大動脈の弁があまり開かない「大動脈弁狭窄(きょうさく)症」、大動脈と肺動脈が血管でつながる「動脈管開存」の三つの心疾患を併発して生まれた。右心室から送り出される血液が全身よりも肺に多く流れて肺と心臓を循環する症状で、「すぐに手術しないと命が危ない状況」だった。

 当時は新生児に使える人工心肺装置がないため、心室の穴をふさぐ手術などはできず、肺動脈を絞って肺へ流れる血液量を抑える手術を実施。それでも「成功率は半々」だった。体が成長した4歳、心室の穴をふさぐ手術と大動脈を人工血管で大きくして人工弁を取り付ける「Konno手術」を乗り越えた。

 昨年3月には「体力があるうちに元気な体になりたい」と、体に対して小さくなった人工弁を大きな弁に取り換える手術に挑戦。心臓は手術するたびに組織の癒着などが増え難易度も高くなり、手術時間は予想より6時間長い16時間半に。出血が止まらず、病院内で献血を呼び掛け、採血直後の止血能力が高い「新鮮な血」を輸血する緊急措置も取った。可能性があった後遺症も出ず、無事に退院した。

 術後1年がたった浦崎さんは「不整脈などの不安が無くなった。疲れが残らず、朝起きやすくなった」と喜ぶ。3回の手術を担った県立中部病院の本竹秀光院長と、今回執刀した天願俊穂心臓血管外科部長は「特殊な症例だったが、浦崎さんは大手術に耐え、回復する力があった」と語る。

 父直隆さん(55)と母小百合さん(51)は「赤ちゃんのころから毎日の成長がうれしく、今回の成功も本当にほっとしている。これまでお世話になった多くの人に感謝したい」と話した。

最終更新:5/28(日) 5:05
沖縄タイムス

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