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【Japan IT Week 春 2017レポート】ビジネスチャンスはどこだ?ITビジネスのいま(中編)

5/29(月) 16:05配信

BCN

【Japan IT Week 春 2017レポート】ビジネスチャンスはどこだ?ITビジネスのいま(中編)

クラウドEXPOの中に大きな2つのブースを構えたGMOグループ。IoT分野のカバーも欠かさない

 リード エグジビション ジャパンが開催した「Japan IT Week 春 2017」。多くのテーマが混在する本イベントから、前回に引き続きITビジネスの現在地を探る。(藤代格)

●IoTビジネスの進捗具合は。各ベンダーの取り組みを追う

 昨年あたりから、IT業界を賑わせているIoT。ALSIだけでなく、今回も多くのブースでIoT関連製品を見ることができた。クラウドコンピューティングEXPO春に出展したGMOグローバルサインは、4月末にリリースした新サービスで、IoTデバイス向けのクライアント証明書大量発行サービス「マネージドPKI for IoT」を展示した。メーカー向けにIoTデバイスの製造段階からクライアント証明書のインストールを可能とし、今まで発行に時間がかかっていた電子証明書を大量・即座に発行できるようにした。1秒間に3000枚もの大量発行が可能だ。2016年4月から「グローバルサイン IoTプログラム」を通じて、IoTベンダーが抱える問題点や課題などのヒアリングを行った結果、IoTデバイスへのクライアント証明書発行にはデバイスの用途に合わせた柔軟性と、大量のデバイスに対して迅速に発行できる仕組みを求める声が多かったという。マーケティンググループの伊藤裕太氏は、「電子証明書業界として、IoTに対して何ができるかを突き詰めた結果」と、サービスに向けて胸を張る。

 メインテーマに据えるIoT/M2M展も、多くの来場者で賑わった。そのなかで、リアルをテーマにこだわったブースを構成していたのは、通信大手のKDDIだ。KDDIビジネスIoT推進本部の西浦理恵課長補佐は、「M2Mと呼ばれていた頃はデバイスが単に並んでいるような展示が多かったが、IoT、そしてビッグデータと絡むようになったことで、実際に何ができるのかが分かりづらくなった面はある。通信という伝わりにくいものを扱う企業であるため、目に見える形を重視した」と、展示コンセプトを解説する。そして「既存ビジネスとのバランスを取る必要性はあるが、M2Mと呼ばれていた頃から実績は豊富にある。こうした機会で具体的なものを出すことで、IoTにも力を入れていることも示したい」と西浦課長補佐。KDDIは昨年、「モバイルビジネス営業部」から「ビジネスIoT推進本部」へと部署名を変更、昇格させた点からも、いかにIoT市場に注力しているかが分かる。

 もともと東京・秋葉原の自作パーツメーカーだったが、いまでは売り上げの7割を法人ビジネスが占めるというのが日本シャトル。産業用並みの仕様でありながら、コストをコンシューマ寄りに抑えて提供できることが評価を受けているという。最近は、IoT、デジタルサイネージなどを展開する相手が多いとのことで、伊藤賢最高業務執行責任者は「今回の展示会でもハードベンダーが展示を行っているが、結局、提案する相手先はソフトを開発するSIerがメイン。産業用寄りの端末は高価すぎて合わないといわれるが、法人ビジネスであるため、安かろう悪かろうというわけにもいかない」と強調。続けて「2台並べて1台が壊れたら、もう一つにスイッチするような仕組みにしてもまだ安い、そんな製品を展開したい。ただ、顧客からは当社のロゴを消したほうが喜ばれることが多い」と苦笑しながらも、引き続き、コストメリットを重視する意向を示していた。

 また、伊藤最高業務執行責任者は「昨今の日本経済では、潤沢な投資資金をもっている企業ばかりではない。大手以外のSI、官公庁など、コストを落としていくと最終的に当社にお声がかかることが多い」と法人ビジネスの現状を説明する一方、「今まではSIに頼んでいたが自分たちで直接展開するようになった小売店などから、直接依頼されることも増えてきた」と、新たな市場のキャッチアップにも力を注ぐ意向だ。(続く)

最終更新:5/29(月) 16:05
BCN