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【全仏オープン】錦織 異例日程に隠された狙い

5/29(月) 16:45配信

東スポWeb

 吉と出るのか、凶と出るのか。テニスの全仏オープンが28日、開幕。クレー(赤土)コートで悲願の4大大会初制覇を目指す男子の世界ランキング9位・錦織圭(27=日清食品)は右手首に不安を抱えたまま、直前にジュネーブ・オープンに緊急参戦するステップを踏んだ。GAORAテニス中継解説者で4月から日本テニス協会の広報委員に就任した佐藤武文氏(46)は異例の日程の裏にある隠れた狙いを指摘し、復活に太鼓判を押した。

 ローランギャロスに入った錦織には、数々の不安がささやかれている。右手首の状態や4強に終わったジュネーブ・オープンへの出場、さらに十分な調整時間のないまま全仏を迎えるリスクや体力面などだ。

 しかし、佐藤氏は右手首について「ジュネーブの初戦はかばっているのかなと感じましたけど、後半はいい時のテニスになっていた」と試合への影響を否定。「彼は状態がよくなかったとしても試合前はネガティブなことは言わない」と付け加えつつも、大きな問題はないとの見方を示した。

 物議を醸したジュネーブへの参戦にも「昨年に比べて試合数が少ないので、そこで補うのは賢明な判断。デメリットは感じない」と前向きに評価。外国人に比べ、体力的に劣る錦織が5セットマッチの全仏前に実戦を経験したことを懸念する声が強いが「ジュネーブは3セット」と一蹴した。

 むしろ、佐藤氏はその収穫を強調する。まずは連戦による試合勘の向上だ。「試合と試合の間が短いと、試合にスッと入っていける。連戦しているといい薬というか、経験が積める」

 さらに、佐藤氏が声を大にするのは、全仏で勝ち進むために欠かせない技術の修正が図れたことだという。「今年、錦織選手がクレーのリターンゲームでブレークポイントの機会を得た回数は66回。昨年は146回です。試合数が物理的に少なかったことも影響しているけど、リターンがよくないんです」。錦織のリターンは世界一と称される最大の武器。しかし今季、赤土での戦いではミスを重ねたり、思い切ったショットが打てないなど、よもやの“異変”に見舞われた。

 佐藤氏はその原因を2月に参戦した南米2大会にあると分析する。

「予想以上にコートがイレギュラーして中に入っていけなかった。いいイメージを持てないまま(クレーシーズンに)臨んでしまった」。本来のプレーを取り戻そうとしたが、右手首の故障もあって苦戦した。このため復調のきっかけをつかむために、試合数をこなすことは必要だったというわけだ。

 組み合わせも最近の大会では恵まれたという。初戦はタナシ・コッキナキス(21=オーストラリア)で、順当なら4回戦で前哨戦のイタリア国際を制したアレクサンダー・ズベレフ(20=ドイツ)、準々決勝で世界ランク1位のアンディ・マリー(30=英国)と対戦する可能性がある。佐藤氏は「(周囲は)あまり期待していないけど、そういう時に燃えたりする」と錦織の“見えない力”にも期待し、上位に進出できると占った。

最終更新:5/29(月) 16:45
東スポWeb