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<話題>バラスト水処理関連銘柄にスポット、9月条約発効で需要拡大に期待

5/29(月) 8:30配信

モーニングスター

 バラスト水処理関連銘柄にスポットを当てたい。船舶バラスト水規制管理条約が今年9月に発効、その後5年以内に外航船は順次バラスト水処理設備を設置する必要があり、装置需要が高まる方向にある。今後5年程度で年間5000億円超の市場規模とする大手銀行の試算(昨年6月時点)もあり、投資対象としてマーク続行の対象と言えよう。

 バラスト水とは、空荷船舶の安定性を保つために重しとしてバラスト水タンクに注入される水のこと。揚げ荷港で海水を取り込み、積み荷港で船外へ排出される。バラスト水に取り込まれた生物が本来の生息地以外で放出されるため、生態系の破壊など環境問題が顕在化している。今回の条約発効により、海洋環境の悪化を防止するとともに関連ビジネスへの期待が広がることになる。

・三浦工は装置販売本格化へ

 すでに業界では需要拡大期入りが指摘されている。15日に17年3月期の連結決算(2期連続の営業最高利益)を発表した三浦工業 <6005> 。同社の決算短信によると、今後の見通しとして「バラスト水処理装置の新造船への販売が本格化する」と明記している。ちなみに18年3月期は、ボイラ、水処理機器、食品機器の売上増加などもあって、IFRS基準で営業利益118億円を見込む。前期の同利益は日本基準で105億7700万円(前期比3.5%増)となり、会計基準の違いから単純比較はできないが、実質増益を予想している。もともと、バラスト水処理装置の本命株として位置付けられており、目の離せない存在だ。

 直近では、パナソニック <6752> がバラスト水処理設備に参入したことを明らかにした。同社は22日、傘下のパナソニック環境エンジニアリングが販売するバラスト水処理設備「ATPS-BLUEsys」(国土交通省の相当指定取得済み)が今月、日本郵船 <9101> 所有の旅客船兼自動車渡船「ニューかめりあ」(博多-韓国間)に搭載されたことを開示した。今後はグローバルでの事業拡大を目指し、意欲的に取り組む構えだ。

 もっとも、一部では撤退の動きも報じられている。19日付の日刊工業新聞によれば、住友電気工業 <5802> と日立造船 <7004> は船舶向けバラスト水処理装置事業から撤退した。両社は製品開発や営業活動で協力していたが、昨年に共同出資会社「エコマリン技術研究組合」を解散。条約発効が当初想定より3-4年遅れたことが撤退判断の一因とされる。装置需要が本格化する見通しのなか、その対応を疑問視する向きもあるが、一方で先行組のビジネス拡大思惑が膨らむことにもなろう。

・今期増益予想組はクラレなど

 主なバラスト水処理装置メーカーは三浦工やパナソニック環境エンジニアリング以外で、クラレ <3405> 、JFEエンジニアリング(JFEホールディングス <5411> 傘下)、栗田工業 <6370> 、日立プラントテクノロジー(日立製作所 <6501> 傘下)、三井造船 <7003> など。このほか、関連銘柄として、タクミナ <6322> 、ニチダイ <6467> 、寺崎電気産業 <6637> 、内海造船 <7018> 、名村造船所 <7014> などが挙げられる。このうち、今期に全利益項目で増益が予想される銘柄(上場企業の傘下企業は除く)となると、クラレ、タクミナ、ニチダイに絞られる。業績動向はもとより、株価位置や投資尺度などを総合的に踏まえ、対処したいところだ。

(モーニングスター 5月26日配信記事)

チャート

三浦工業6005
2230円、前日比+16円 - 7/25(火) 15:00

チャート

パナソニック6752
1494.5円、前日比-1円 - 7/25(火) 15:00

チャート

日本郵船9101
210円、前日比-1円 - 7/25(火) 15:00