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修学旅行ガイドブックに“異変” スペースワールド閉園の余波、懸念 北九州市や観光業者

5/29(月) 10:49配信

qBiz 西日本新聞経済電子版

 今年末で閉園する北九州市八幡東区のテーマパーク「スペースワールド」(SW)を巡り、毎年十数万人の修学旅行生を受け入れてきた北九州市が頭を悩ませている。「最も大きい立ち寄り先」(市観光課)が失われ、来年以降の減少は必至の状況で、SWがこれまで担ってきた「数百人規模の昼食場所の確保」という課題も浮上。市や観光業者は、体験学習を前面に打ち出したコンテンツでつなぎ留めようと懸命だ。

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 市が毎年発行している修学旅行ガイドブックに“異変”が起きた。従来は表紙にSWの遊具写真を大きく載せていたが、閉園に伴い削除。代わりに工場見学や風力発電などを強調したが、担当者は「SWの存在の大きさをあらためて実感した」と表情は硬い。

「北九州市を旅行先に選ぶか」多くが「未定」

 市の観光動態調査によると、近年の修学旅行生数は、2011年19万4千人▽12年17万4千人▽13年18万3千人▽14年16万8千人▽15年16万1千人-で推移。南九州や中四国地方からが多く「少子化が進む中でも堅調」(観光関係者)。15年の市の全観光客数(2571万人)に占める割合はわずかだが、平日に安定的な来訪を見込め、将来的な再訪も期待できることから、交流人口増加を旗印に掲げる市は、積極的な修学旅行誘致を図ってきた。

 SWは修学旅行生数を含む入場者数を公表していないが、隣接する市立いのちのたび博物館によると、昨年度は約3万人の修学旅行生が同館を訪れ「その多くはSWにも行っていると思う」。閉園を受け、市観光課は各旅行会社に「来年以降に北九州市を旅行先に選ぶか」を尋ねたが、多くが「未定」だったという。

 閉園発表後、修学旅行誘致を目的に市や宿泊業者でつくる協議会は会議を2度開催。今後の対応として「環境学習の充実」「水族館がある山口県下関市などと連携した広域PRの展開」などの方針を確認した。いのちのたび博物館では化石発掘体験などが人気を集めており、アピールポイントをさらに磨く構えだ。

 JTB九州北九州支店の篠崎和敏支店長は、修学旅行部門の責任者を鹿児島支店時代に務めた経験から「学びの要素を取り入れた体験型旅行が増えつつある。公害問題をクリアしてきた街ならではの提案ができるはず」という。

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