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乳がん経験者が快適に 下着屋Clove、自身の経験生かし肌着開発

5/29(月) 10:30配信

埼玉新聞

 昨年起業したボーマン三枝さん(35)は、乳がんを患った自身の経験を基に、乳がん経験者が快適に着けられるカップ入りインナー「サラッと肌着」を開発した。8月のネットショップ開店を前に、今月からクラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」で先行販売を開始。三枝さんは「がんはマイナスばかりじゃない。得た経験とさまざまな出会いをプラスに変えたい」と、笑顔でがん経験に向き合う。

■結婚直後発覚

 4年前、結婚を機に岡山県から埼玉に移住直後、検診で乳がんが発覚。結婚3カ月目のことだった。

 「絶望的でした」という三枝さんだったが、夫で英会話学校講師のエドワードさん(32)に支えられ、右胸の全摘手術を受けた。子どもを望んでいたことから、術後のホルモン治療は受けない選択をし、33歳で長女を出産した。

 「自分の経験を生かしたい。ただで起き上がるのは嫌」と起業を決意。昨年5月、がん(Cancer)の頭文字に「love」をつなげた「下着屋Clove(クローブ)」(さいたま市中央区)を立ち上げ、術後、下着で苦労した経験を基に開発に取り掛かった。

■サンプル作り

 製造メーカー探しに苦慮するなか、三枝さんの企画に賛同したのが、敏感肌やアトピーの人向けの下着製造に定評のある島崎(秩父市、嶋崎博之社長)だった。モニターは若年性乳がんサポートコミュニティ「Pink Ring(ピンクリング)」(御舩美絵代表)のメンバーにお願いし、リアルな悩みを聞き取りながら、サンプル作りを重ねた。

 完成した商品は、糸に強くひねりをかけた強撚(きょうねん)綿100%で、吸収性や速乾性が抜群。胸パットが出し入れできるポケットや、ホルモン治療などの副作用による発汗(ホットフラッシュ)対策の脇パットなど、機能性にとことんこだわった。乳がん経験者だけでなく、普通のブラトップとして全ての女性の着用が可能だ。

■妊よう性啓発

 三枝さんは今後、若年性乳がんについての情報発信にも取り組んでいく考えだ。

 治療や、同じ乳がん経験者との交流のなかで、若年性乳がん経験者が悩む妊よう性(妊娠のしやすさ)の問題に直面した。「若年性乳がんは、結婚・妊娠・出産などの人生設計に影響を与えるのに、妊よう性の臨床研究や環境整備が進んでいないのが現状。がん完治も子供も両方望んでいいはず」

 三枝さんは9月に第2子を出産予定。「術後の女性たちが妊娠と出産を含めた自分の人生について、納得のいく選択ができるよう支援していきたい」と力を込めた。

 同商品は、丸パット(2個)付きで価格4800円(税抜)。色はピンクベージュ。サイズはS、M、L、LL。マクアケでの支援金の一部は、若年性乳がん患者の妊よう性について研究を進める、乳がん専門臨床研究団体「JBCRG」に寄付される。

 購入申込はmakuake.com/project/shitagiyaclove/へ。

最終更新:5/29(月) 10:30
埼玉新聞

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