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食中毒に注意、山菜採りの見分け方は 岡山・倉敷の専門家2人に聞く

5/29(月) 15:22配信

山陽新聞デジタル

 旬の山菜など野山の味を楽しめる時季を迎えた。一方で4月に岡山県玉野市の高齢夫婦、今月16日には長野県の高等専修学校の教員、生徒たちが、スイセンとニラを間違えて食べて食中毒が発生。植物を採って食すには危険も多い。岡山県倉敷市の専門家に注意点や見分けのポイントなどを聞いた。

匂いや色で見分けて

■倉敷市立自然史博物館 狩山俊悟学芸員

 幅が3、4ミリのニラに比べてスイセンは8~15ミリと太い。色も粉を吹いたような白っぽい緑色で、ニラはしっかりした緑色。匂いにもはっきりと違いがあり、ニラはネギのようなニラ特有の匂いがする。スイセンには匂いがほとんどない。

 過去の観察会でセリと見間違える人が多かったキツネノボタンも気を付けて。似た場所に生育するため見分けにくく、葉の分かれ方も似ているが、セリは茎や葉に毛がなく、キツネノボタンには生えている。

 このほか、ハシリドコロやトリカブトなどにも注意。ハシリドコロは水のきれいな場所に生息し、葉がやわらかそうでおいしそうに見えるが危険度は高い。誤食すると狂乱して走り回ってしまうことから名が付いた。トリカブトはニリンソウと間違えやすい。

 毒のない植物の場合でも、自然のものはおいしいからといって多量に食べない方が良い。アクが強く、少量では問題なくても、たくさん食べると腹痛を起こす可能性がある。見分け方や食べ方に注意し、自然を壊さないよう春の恵みを楽しんで。長袖長ズボンのマダニ対策や熱中症対策も忘れずに。

普段から植物に関わって

■重井薬用植物園 片岡博行園長

 おいしく新鮮な食を楽しめるとあって人気の山菜採りだが、知識がある人にも高難度。植物の種類は通常、花や実を見て判断するが、山菜採りの時季はまだ新芽で、判断できる要素が少なく、分かりにくい。

 スイセンとニラのように、似た植物が存在していることを理解した上で採取して。他の植物の特徴を当てはめ、該当しないことを確認することでより安全性を確実にするべき。可能であればベテランと同行し、自信がない時には手を出さないでほしい。有毒植物は身近にたくさんある。

 山菜採りを楽しむには、普段から植物に関わることが重要。触れ合う機会が少ないにもかかわらず、この時期にだけ山に入るから危険。まずは、観察会に参加するなど普段から植物に親しみ、見分けることを楽しんでほしい。そこで知識を得た先に、味覚としての楽しみが待っている。

 山菜採りは大学受験のようなもの。資料を読むだけでは理解できず、簡単だと思っても引っかけがある。植物図鑑も説明を簡略化する部分があり、読むだけで全ては分からない。実際に触れ合いながら観察の目を養ってほしい。