ここから本文です

絶好調の半導体製造装置業界、なぜ重要指標の公表を取りやめる?

5/29(月) 8:16配信

ニュースイッチ

1年先の先行指標「BBレシオ」から、中長期の成長性を重視

 半導体製造装置市場が活況で沸く中、ちょっとした“事件”が起きた。日本半導体製造装置協会(SEAJ)は、日本の半導体製造装置の需給を表す「BBレシオ」の公表を止めると発表したのだ。

 BBレシオは出荷額に対する受注額の割合を示す指標。半導体製造装置の場合、3カ月平均の受注額を、販売額で割った数値で、半導体業界のおよそ1年先の先行指標として活用されてきた。

 しかし東京エレクトロンが17年3月期決算発表の際に「今後は受注実績の開示を取りやめる」と発表。それに伴い「BBレシオの意義や影響などを検討して中止を決めた」(SEAJ)という。米国でもBBレシオの公表が中止となっている。

 背景には受注額の開示を止める装置メーカーの増加がある。東京エレクトロンは四半期の受注額開示を取りやめた理由を「短期の株価変動を抑え、中長期の成長性判断をより重視する」ためと説明する。

 BBレシオがなくなっても、市場が安定していれば問題ないかもしれない。しかし半導体業界は短期で状況が激変することも少なくなく、今後の影響に注視が必要だ。

最大手の東京エレクトロンは過去最高益に

 「(現在の活況は)ピークアウトではなく、これからも市場は拡大する」―。

 半導体製造装置国内最大手の東京エレクトロンの河合利樹社長は、中長期的な市場成長を予測する。同社はウエハーを加工する前工程向けの装置を手がけており、17年1―3月期は2四半期連続で過去最高の受注額を達成。18年3月期の当期利益は2期連続の過去最高となる1630億円を見込む。

 旺盛な需要に備え、設備投資額は倍増の420億円を計画する。70%を九州や山梨県の研究開発拠点の拡張・改修といった開発関連設備への投資に当てる計画だ。残り30%で宮城県の生産拠点への物流棟の新設など増産投資も行う。

 需要増加に対応した設備投資の動きは業界全体に広がっている。国内主要6社のうち、設備投資額が前期比プラスとなるのは4社。

1/2ページ

最終更新:5/29(月) 8:16
ニュースイッチ