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「インターン採用認めず」文科省見解は現実無視か――就活最前線のホンネ

5/29(月) 11:20配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

企業の採用選考が解禁され、就活シーズンが大詰めを迎える6月を前に、文部科学省の出した「インターンと採用活動の直結は避けるべき」とする見解が、学生や企業の間に波紋を広げている。文科省の見解は就職活動の早期化や長期化を招いて「学生の学習環境の確保が困難」になることを懸念するものだ。

就活のタテマエと実態の間で揺れる学生たちの写真

国や経団連の従来の方針を踏襲したかっこうだが、若手人材不足に企業があえぐ昨今、内定を念頭に置いたインターンは、学生や企業の間では「当然のこと」で、現状とのギャップに違和感を訴える声も上がっている。

企業や学生の声が反映されていない

「今回の有識者会議の見解には、企業や学生の実態や声が反映されていない。決め方も含めて、この結果に疑問を持っている」

危機感を募らせるのは、SNSを活用し企業と就職希望者とのマッチングサービスを運営するウォンテッドリー(Wantedly/東京都港区)だ。同社のサービスは利用企業社数2万社、月間ユーザー数150万人を超え、学生の間でも「就活の必須アイテム」と支持されている。

インターンシップの仲介も多く扱い、2016年で3500社がインターン募集をウォンテッドリーを通じて実施している。とくに中小ベンチャーにとって「名の知られた大企業に先駆けて、優秀な学生を確保するにはインターンは大きな意味をもつ」(担当者)という。

同社の担当者は、多くのインターン現場をみてきた立場から「直結は認めなくても、各企業は水面下で優秀な学生をいち早く探し、動いている。(国や経団連の方針と)現実の間にギャップがある」という。

ただ、就活支援サービスの企業の見方も分かれる。新卒採用支援を手がけるエン・ジャパンの林善幸・新卒採用企画部長は「企業の利益が先行する『選考直結型』によって学業に集中できなくなるような環境は、やはりよくない」との立場だ。

内定直結のインターンが解禁されれば、就活期間が短くなるのではとの見方もできるが、「多くの学生はたとえインターンで内定が出ても、人気の総合商社やメガバンクの選考結果を待ってから就職先を決める。やはり長期化することは避けられないのでは」(林氏)と、文科省の方針はやむを得ないとみる。

別の人材サービス会社の関係者は「文科省の見解に法的拘束力はない。これまで同様、インターンで内定を出す企業は出すだろう。そもそも外資には6月の選考解禁すら無関係なのだから」と、冷めた見方だ。

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最終更新:5/29(月) 11:20
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