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芥川賞作家・野呂邦暢さんをしのぶ 諫早で菖蒲忌

5/29(月) 9:03配信

長崎新聞

 諫早の風土に根差した小説を描いた作家、野呂邦暢さん(1937~80年)をしのぶ「菖蒲(しょうぶ)忌」が28日、長崎県諫早市内で営まれた。生誕80年を迎える今年、作品集などが刊行され、再び脚光を浴びている野呂文学の魅力や人柄が紹介された。

 市芸術文化連盟(森長之会長)が毎年開き37回目。野呂さんは長崎市に生まれ、戦後、諫早市に移住。20代半ばから諫早を拠点に執筆活動に入り、自衛隊での生活を基にした「草のつるぎ」で74年、芥川賞を受賞した。

 代表作「諫早菖蒲日記」の冒頭が刻まれた文学碑(上山公園)前で、森会長や運営担当の鎮西学院高インターアクトクラブがハナショウブを献花。東小路町の市美術・歴史館では、関係者約150人が出席し、黙とうの後、県立西陵高と県立諫早高の各放送部員が「落城記」などの野呂作品の一節を朗読した。

 野呂さんの兄、納所祥明さん(83)=長崎市=は、昨年の諫早市中学生・高校生文芸コンクール最優秀賞作品に触れ、「弟が『伝えたいこと』を今なお多くの人が伝えてくれて感謝している」と述べた。

 会場には、野呂さんが生前、撮影した市内の風景写真や美術エッセー「天使のつばさ」など3作品の直筆原稿が展示された。

長崎新聞社

最終更新:5/29(月) 10:16
長崎新聞