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またミサイル発射…今回発射したとみられるミサイルの特徴と現状

5/29(月) 22:59配信

ホウドウキョク

ミサイル防衛に詳しい能勢解説委員の解説です。

5月29日放送「ランチタグ」の動画はこちら

今月に入って3回目、発射ミサイルの実力は

北朝鮮は29日朝、弾道ミサイルをまた発射。政府は日本の排他的経済水域=EEZ内に着水したと見られると発表した。29日午前11時時点。今回のミサイルについての情報は以下の通り。

さらに飛行距離は約400kmで、今年に入ってミサイル発射は9回目。今回のミサイルは低高度で、EEZ内に落下したということだがその場所がこちらだ。

今回落下したところが赤いバツで、3月に発射されたミサイルが紫のバツだ。

【EEZ内の落下場所について】
・新潟県・佐渡島から約500km
・島根県・隠岐諸島から約300kmと推定
・前回は3月に4発発射されたうちの1発が、秋田・男鹿半島の西約300~350kmに落下

今回のミサイルは『スカッドC』?『KN-17』?

水平距離で400km、韓国そして稲田防衛大臣はスカッド系列ではないかとの言い方をしている。北朝鮮が持っているスカッドは、スカッドB・スカッドC・スカッドER、そしてスカッドのどれかを改造したとみられるKN-17だ。スカッドBは飛ばしても最大300km、今回400km飛んでいるということはスカッドBではない。スカッドERは1000km飛び、高さ250kmくらいまで上がる。ロフテッド軌道で短くしたとしたら高度100kmはありえないのでスカッドERでもないだろう。

画像はスカッドERだが、今回のミサイルは『スカッドC』か『KN-17』の可能性が浮上する。スカッドCは最大射程500km、高度100km超えは、ほぼこの数値に合ってくるので、これの可能性が非常に高いといえそうだ。

●『KN-17』
スカッド系列の弾道ミサイルを改造して作られた。途中で軌道が変わるとみられる弾道ミサイルで、元のスカッドがどれを使っているのか良く分からず、射程がどれくらいかも良く分かっていない。

スカッドBは300km、スカッドCが500kmと言われているのでこの2つは韓国、スカッドERは1000km飛ぶので日本がかなり射程に入ってくる。KN-17は軌道が変わるという性能を持っていそうだが、どれくらい飛ぶのかはよくわからない。KN-17は謎につつまれていて分からないところが多い。

KN-17はひょっとしたら海の上の軍艦を狙うのではないか、また、ペトリオットパトリオットPAC3という対空ミサイルで防護されている地上施設を狙うのではないかなど諸説色々ある。いずれにせよ射程が分からないため韓国かひょっとしたら日本に届くか分からない。

今回は400kmの100kmのため、スカッドERではなくKN-17だとしてもそれはスカッドCベースという可能性が出てくる。日本には届きにくく、ギリギリ届いても一部だけだ。日本を標的にすると本州はカバーしてないと難しい。どうしても800kmや1000kmは必要になってくる。
今回の発射の情報について、アメリカ軍は相当、確度を持った情報があったはずだ。アメリカ軍は監視体制を早い時間から取っていた。

他方、北朝鮮の今回の狙いとして、米海軍空母の動きが標的になったということはあるのか、また、海上に配置されている空母は対象になるのか。という点が気になる。だが、北朝鮮の能力が海の上の軍艦の場所を正確にとらえられるのか、またミサイルをその場所に誘導できるのか、特に空母などイージス艦は動き回っているから予想位置にミサイルを撃ち込まなければならないためミサイルが到達するときにこの位置にいるという計算ができるのか。そこは疑問だ。

ロケットを発射させる技術は確実にあがっているが、そこが読める能力があるのかというのはわからない。巡航ミサイルの種類だとラジコンのようなもので狙うことはできるが、従来の弾道ミサイルのように一度打ち上げて標的の上に落ちていくものは発射して途中までしか誘導が効かない。そのため、そこから先のことはかなり難しい。
今回も排他的経済水域ギリギリを狙ったのか、狙った通りのところに落ちたのか。以前4発打ったとき、金正恩氏がモニターを見ている画面があった。その4発が直線状に北から南に並んでいて、その中の一番南がEEZに入っていたようだ。北朝鮮は動かない場所に向かって発射するという能力についてはかなり高くなったと見ている。危機感は募る一方だ。

5月29日放送「ランチタグ」より

最終更新:5/29(月) 22:59
ホウドウキョク