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ダニエル太郎が2年連続、奈良は4年連続の初戦突破で日本勢好スタート [全仏テニス]

5/29(月) 19:01配信

THE TENNIS DAILY

 グランドスラムの中で唯一、日曜日に開幕する全仏オープン(5月28日~6月11日)は、この時期のパリには珍しく真夏のような暑さの中でのスタート。初日に行われたのは男女合わせて32試合のみだが、3人の日本人選手が同じコートに続けて登場した。

ダニエル太郎が元世界14位のヤノビッチを下して2年連続2回戦へ [全仏オープン]

 まずは予選を勝ち上がったダニエル太郎(エイブル)が世界ランク164位のジャージー・ヤノビッチ(ポーランド)を6-4 6-4 6-4のストレートで破ると、4年連続出場の奈良くるみ(安藤証券)は15歳のアマンダ・アニシモワ(アメリカ)に3-6 7-5 6-4で逆転勝ち。

 初出場の杉田祐一(三菱電機)と第25シードのスティーブ・ジョンソン(アメリカ)の試合は第4セット途中で日没中断となった。スコアは杉田から3-6 3-6 7-6(4) 4-2。杉田が2セットダウンからじわじわと追い上げ、いい流れではあったが、時刻は日没目安の21時半に近づいており、やむなく翌日に順延だ。

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 ダニエルの全仏オープンは、2日前に終わっていてもおかしくなかった。予選の最終ラウンドで2つマッチポイントを握られる大ピンチ。生き延びた命は、さらに一つ駒を進めた。

 ヤノビッチは2013年のウィンブルドンでベスト4入りし、世界ランクも最高で14位までいったことがあるが、ケガが度重なり、昨年は280位台まで低迷。164位まで戻してはいるが、今回はプロテクト・ランキング(ケガで戦線離脱した選手のための救済措置)を使っての本戦入りだった。203cm 94kgという巨体から繰り出すサービスとフォアハンドが武器だが、クレーコートならダニエルに勝機がある。そんな期待を裏切らず、得意のラリー戦にもち込んでポイントを重ねた。

 強打かドロップショット。ヤノビッチのプレーにはさほど多くのアイディアはなく、ダニエルはドロップショットにも俊敏に対応し、逆に自分のウィナーにつなげた。第1セットは第3ゲームを2度のデュースの末にブレーク。第2セット、第3セットもともに1ゲームをブレークし、自分のサービスゲームは一度も落とさなかった。

「リターンはとにかく返したらチャンスになるかもと思った。あとはサービスが今日はすごいよかったので、自分からもプレッシャーをかけることができた」

 2回戦の相手は第20シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)。フューチャーズ(ITF)時代を含めると7連敗と負け続けている相手だが、スペイン育ちで好調の25歳に今回はどう挑むか。

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 奈良の対戦相手は今大会最年少の15歳、アニシモワ。昨年の全仏オープン・ジュニアの準優勝者で、ワイルドカード(主催者推薦枠)を獲得してのグランドスラム・デビューである。長いリーチを生かしたアングルショットはキラー・ショットで、ベースラインからでもウィナーを取るパワーとテンポの早さに牽きつけられる。

 奈良は、対戦が決まってから、You Tubeを使って相手を研究したという。印象を聞かれ、「15歳じゃないな(笑)」。あまりに巧くて、15歳ということを意識せずに済んだことは幸いだったのかもしれない。

 第1セットを失い、第2セットも先にブレークされる苦しい展開。しかし、日本の夏を思わせるような蒸し暑さの中、奈良のしぶとさが徐々に効いてきた。第5ゲームでブレークバックをしたあともブレーク合戦の中、結局7-5で奈良が奪った。

 最終セットはダブル・ブレークの4-1から4オールに追いつかれる展開だったが、「自分の気持ちが引いて奪われたゲームじゃなかった。落ち着いて相手を揺さぶろうと思った」と奈良。

 第9ゲームの最初のポイント、奈良は積極的に前に出て得意のドライブボレーを決めた。このアグレッシブなポイントから4ポイント連続でふたたびブレークに成功。最後はサービスゲームで締めくくり、才能あふれる15歳に打ち勝った。

 今大会の日本女子は6人が本戦入り。奈良は、「いいライバル関係ができている。今日、私がいいかたちで先陣を切れたならうれしい」と、謙虚ながらも使命感をにじませた。

(テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)

最終更新:5/29(月) 19:01
THE TENNIS DAILY